十勝岳では9月12日午前9時30分、噴火警戒レベルが「2・火口周辺規制」から「3・入山規制」に引き上げられました。
火口からおおむね3キロの範囲では、大きな噴石が飛散する噴火が発生するおそれがあります。登山道などの規制区域には、絶対に立ち入らないでください。
一方、山から離れた場所に住む人にとって気になるのが、「もし噴火したら、火山灰はどちらへ流れるのか」ということです。
実は気象庁は現在、十勝岳の「降灰予報」を3時間ごとに発表しています。
「噴火する」という予報ではない
降灰予報という名前から、「噴火の発生を予測している」と受け取る人もいるかもしれません。
しかし、現在発表されている「降灰予報(定時)」は、噴火そのものを予知する情報ではありません。
一定規模の噴火が発生したと仮定し、その時の上空の風に乗って、火山灰や小さな噴石がどの方向へ運ばれるかを計算したものです。
発表時刻は午前2時、5時、8時、11時、午後2時、5時、8時、11時の1日8回。向こう18時間を3時間ごとに区切り、「この時間帯に噴火した場合」の降灰範囲を地図で確認できます。
つまり、普通の天気予報で「雨雲がどちらへ進むか」を見るのと同じように、「噴火した場合に、灰がどちらへ流されるか」を見る情報です。
画面下の時間帯を選ぶ
気象庁の「降灰予報」のページを開くと、日本地図上に三角形で火山が表示されます。「十勝岳」を選ぶと、詳しい地図に切り替わります。
画面下には「15~18時」「18~21時」などの時間帯が並んでいます。外出する時刻を選ぶと、その時間帯に噴火した場合の降灰範囲が灰色、小さな噴石の落下範囲が赤い斜線で表示されます。

例えば9月17日午後2時発表の予報では、午後3時から午後6時に噴火した場合、火山灰は火口から西北西方向、上富良野町や中富良野町方面へ流される想定になっていました。ただし、風向きは時間とともに変わります。古い画像ではなく、必ず最新の予報を確認してください。
なお、上空の風が弱い場合や、高度によって風向きが大きく違う場合は、実際の降灰範囲が予報とずれることもあります。
桜島では「洗濯物を外に干せるか」の判断にも
活発な噴火を繰り返す鹿児島県の桜島では、降灰予報は暮らしに密着した情報です。
火山灰が鹿児島市街地側へ流れるのか、それとも別の方向へ向かうのかを確認し、洗濯物を外に干すか、窓を開けるか、車で出かける際に注意が必要かといった判断に役立てられています。
十勝岳周辺でも、噴火が発生した場合には同じような使い方ができます。風下に当たる地域では、窓を閉め、洗濯物を取り込み、必要に応じてマスクや眼鏡を用意します。運転中は視界が悪くなったり、火山灰で路面が滑りやすくなったりすることにも注意が必要です。
噴火後は「速報」「詳細」へ
実際に噴火が発生すると、情報はより具体的になります。
気象庁は必要に応じ、噴火後5~10分程度で「降灰予報(速報)」を発表します。その後、噴煙の高さや最新の風のデータを使って、より詳しい「降灰予報(詳細)」を発表します。
覚えておきたいのは、
「定時」は、噴火前の“もしも”の予報
「速報」と「詳細」は、噴火後の予報
という違いです。
ただし、降灰予報で火山灰が流れてこない時間帯であっても、規制区域に入ってよいという意味ではありません。火口周辺では降灰予報よりも、噴火警報や自治体の立ち入り規制を優先してください。
週末から連休の北海道は道東を中心に雨
最後に、9月17日午前11時発表の週間予報です。
18日金曜日は、北海道の広い範囲で晴れる見込みです。19日土曜日は道東などで次第に雨となり、20日日曜日から21日月曜日にかけては、全道的に雲が広がりやすく、雨の降る所がありそうです。
22日火曜日は天気が回復し、晴れる所が多くなるでしょう。その後は再び雲が広がる地域もある見込みです。
週末から連休に十勝岳周辺や美瑛・富良野方面へ出かける人は、天気予報だけでなく、噴火警報、道路や登山道の規制、最新の降灰予報も確認してください。
「噴火するかどうか」だけでなく、「もし噴火したら、どちらが風下になるのか」。降灰予報は、その備えを具体的にしてくれる情報です。
※この記事の中の情報は9月17日午後2時現在の情報です。降灰予報や週間予報は最新の情報をご利用ください。
◇HBCウェザーセンター近藤肇気象予報士














