AI警鐘に反対するトランプ大統領 思惑の2つの理由

井上貴博キャスター:
誰も予測できなかったようなことが今起きようとしています。だからこそ、「今立ち止まらないと手遅れになる」と研究者側は警鐘を鳴らしていると思います。

一方でトランプ大統領からすると、選挙もあり、中国との開発競争に負けていられないため、AIへの警鐘はたまったものではないと思っているのではないでしょうか。

ワシントン支局 守川雄一郎 記者:
トランプ大統領の思惑の背景には、2つの面があります。

▼1つが「経済」
経済成長の柱としてAIを捉えていて、11月に控える中間選挙のアピール材料にしたい、経済政策の成果の象徴にしたい。

▼もう1つが「軍事的優位」
イラン攻撃で明らかになったように、現在の戦闘とAIは切っても切れない点にあります。この点で中国に優位性を保つためにも、AIでのリードを維持したい。

井上キャスター:
この議論が難しい点は、倫理の面と経済の面のせめぎ合いのところだと思います。

例えば、業界全体でルールが作られたとして、国同士などの世界のルール、枠組みをどうするのか、誰が第三者としてチェックするのかなどの懸念が出てきます。

信州大学特任教授 山口真由さん:
リスクかイノベーションか、どちらを開発において重視するのか全然統一ができていません。

例えば、オープンAI社やアンソロピック社などのようにリスクを重視するのは、理想主義的で人類にとって良いことである反面、フロンティアAIはオープンソースに対して自分たちの利益を確定して参入障壁を上げようとしている「商業主義の顔」ももちろん持っています。

そのため、どの立場の人がどのように言っているかということも二面性があり、単純に受け取ることができない複雑さがあると思います。

出水麻衣キャスター:
それぞれがそれぞれにとって有利なルールを作りたい段階だということですね。