「逃げ得は許さない」最高裁が下した判断
刑事責任を問うことができない時効制度の下で、千佳子さんの弟・石川憲さん(58歳)は、男に対して賠償を求める民事裁判を2005年に起こしました。
石川憲さんは「今、私たちができることは、民事裁判で、償いをさせる判決をもらうことなんです、それが最大の供養」と話し、「当時、何があったのか、事実を知りたい」その一心だと、提訴の理由を明かしていました。
一審の東京地裁は「遺族が賠償請求できる権利は、不法行為から20年で消滅する」という民法上の「時効」を理由に訴えを退けました。
この判決に石川さんは「犯行の事実も知らないのに、どうやって請求の権利を行使できたというのか」と反論して控訴。
そして二審は一転して、「遺族は被害者の殺害を知ることができなかった。その遺族に民法上の時効を適用するのは不公平」と判断し、男に4255万円の賠償を命じました。
これに対して男は「民事の時効である20年が過ぎ、賠償責任はない」と上告しましたが、最高裁判所は2009年4月、男の訴えを退け、2審判決が確定しました。
千佳子さんのもう一人の弟、雅敏さん(55歳)は判決後の会見で「姉の無念を晴らすことはもちろんのこと、逃げ得は絶対に許さないと心に強く思い裁判に臨んできました」と振り返りました。
「逃げ得は許さない」。
しかし、男は一度も法廷に姿を現さず、犬の散歩を続けていました。
男はなぜ、千佳子さんを殺害したのか?
民事裁判で男が提出した「陳述書」に事件の経緯について男の言い分が記されていました。
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