「自分さえ良ければいい」を脱し、森や川にもっと関心を

――こうした日本の自然と社会に対して、私たちはどう向き合っていくべきでしょうか?

蔵治教授

「戦後の日本社会は、経済的合理性と利便性、プライバシーを追求し、都会に人口を集中させてきました。しかし、ライフラインが絶たれた時、一番弱いのはそうした高密度な都市です。『自分さえ良ければいい』という都市型の暮らしを、今後何百年も持続できるわけがありません」
「山に入るとき、すべて管理者の責任にするのではなく、自己責任で自然と向き合う文化を取り戻すこと。そして、都市に閉じこもるのではなく、もっと森や川に関心を持ち、適度に手入れをして使っていくこと。それが、次の世代にこの森や川の恵みを渡す唯一の方法です」

不都合な真実から目を背けず、人間と自然の「本当のサステナブル(持続可能)な関係」とは何かを問いかける蔵治教授。その蔵治教授も取材協力したドキュメンタリー映画をモチーフにしたTBS DOCSの舞台「サステナドール」の上演が決まった。まもなく幕を開ける。

執筆:川上敬二郎
TBSテレビ 創域報道本部報道局編集部報道コンテンツ戦略室

社会部記者、「報道特集」ディレクター、「news23」編集長などを経て現職。2003年4~6月、アメリカ各地の放課後改革を取材、友人と2005年「放課後NPOアフタースクール」を設立(2009年NPO法人化)。「TBSドキュメンタリー映画祭2024」で監督を務めた「サステナ・フォレスト〜森の国の守り人たち〜」を上映。この作品をモチーフに生まれた、舞台『サステナドール』が上演される。

映像と演劇が交錯する新感覚のステージで、現代人が見落としてきた「森と人の再生」を描く。主演は猪野広樹。

作品:『サステナドール』(脚本・津村有紀、演出・寺本晃輔)
日程:2026年10月16日(金)~20日(火)
会場:赤坂RED/THEATER
作品詳細・チケット情報は「TBS DOCS」公式サイトまで