■自民議員「WEB3.0を成長戦略のど真ん中に」


「WEB3.0を岸田内閣の成長戦略のど真ん中に位置づけるべきです」
「おー、いいねー」


4月21日の昼前、総理官邸の応接室では岸田総理と木原官房副長官を6人の国会議員が囲んでいた。この6人は自民党のデジタル社会推進本部のメンバーで、岸田総理に対してWEB3.0(ウェブスリー)と呼ばれる次世代のインターネットに対応できる成長戦略を策定するよう訴えていたのだ。

総理との面会後、官邸エントランスで取材に応じた平井デジタル社会推進本部長(前デジタル大臣)は、「日本もそういう新しい成長戦略に資するようなことに関しては前向きである、というメッセージを総理も出したい意向だ」と語った。また、出席者のひとりは、「岸田総理は予想以上にこのWEB3.0について前のめりな様子で驚いた」という。
取材に応じる平井卓也デジタル社会推進本部長

■“岸り人”続々で求められる成長戦略


岸田総理に対するマーケットや投資家の目は厳しい。岸田政権発足後から株価は下落傾向にあり、菅前総理の退陣直前に3万円台だった日経平均株価は、22日の終値で2万7105円26銭だった。数年前、暗号資産によって大きな利益を得た人は「億り人」と呼ばれたが、現在、岸田内閣の下、株取引で大きな損を出した人を指す、「岸り人(きしりびと)」という言葉も市場関係者の間で聞かれるようになった。

ウクライナ情勢による影響を差し引いても、岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の中身が見えないこと、「成長と分配」と言いつつ、特に政権発足直後に金融所得課税などの”分配重視”の政策がクローズアップされたことで、政権の成長戦略に対する失望感が広まっている。岸田総理を支える岸田派の議員からも「この政権では成長が期待できる産業がない」などのため息が漏れている。

しかし、今回のWEB3.0への岸田総理のコミットが事実であれば、こうした評価を覆すことが出来るかもしれない。