「予算10億円」めぐり ネット上ではデマも
小川キャスター:
新たな事業が始まったわけですが、今回もネット上には「アフリカの高校生に税金10億円がばらまかれる」といったような批判やデマなどもたくさん出てきました。

TBS報道局 政治部 大﨑雅基記者:
アフリカの高校生の招へいをめぐり、ネット上では「アフリカの学生に100万円ずつ配られる」といったデマなどが広がりました。
10億円は、1年間の事業全体の上限予算の話であり、例えばアフリカの学生が今回のように日本に来る時や、日本の学生がアフリカに行く時の渡航費や滞在費といった実費に当てられるだけであり、誤解が広がっていると感じます。
藤森キャスター:
海外交流が、何かと昔に比べて難しく感じる状況になっていますが、ドイツで生活されていた時はどうでしたか?

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
僕もドイツ政府から奨学金をもらって留学し、今こうして研究職に就いているので、いわば「知独派」ですし、ドイツに対する印象はすごくいいんですよね。
ところが、そんなドイツでも今、戦争に予算を使わなければいけなかったり、経済状況が良くない中で、学術交流や外国人向けの奨学金を減らしていこうという動きがすでに進んでしまっています。
最近は極右政党なども台頭する中で、「外国人優先よりも自国優先にしよう」という流れは、日本だけでなくドイツなどでも出てきてしまっています。
ですが、こういう戦争が起きる時代だからこそ、若い世代を巻き込んで文化や学問での交流をやっていくことが、将来への種を蒔くことにつながるんじゃないかと思いますね。
小川キャスター:
まさに一朝一夕とはいかない交流関係でもあるわけですから、国としても「この事業がなぜ行われるのか」「どのような効果があり、どう活かされるのか」ということを丁寧に説明する努力が必要だと感じます。
草の根の「顔と顔を合わせての交流」というのは、本当に土台を築いていきますよね。

TBS報道局 政治部 大﨑雅基記者:
今回、ルワンダ人学生を受け入れたホストファミリーの方にお話を伺ったのですが、「ホームタウン騒動があって、最初はアフリカの学生を受け入れることがとても不安だった」とおっしゃっていました。
ただ、子どもたちの交流を見ているうちに「『アフリカ』という広い主語で一括りにして捉えることがいかに危険か」にハッとさせられたといいます。
私たち自身も、目の前のデマに惑わされないよう、個人個人でしっかり向き合って付き合っていかなければいけないのではないかと、取材を通しても強く感じました。
==========
<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授専門は経済・社会思想
ドイツで修士・博士号を取得 計7年在住
大﨑雅基
TBS政治部 外務省担当
元NGO職員でケニア駐在の経験も
「アフリカ・ホームタウン事業」撤回騒動など取材














