「南下」ではなく「停滞」?

予報円の中心を結ぶと、5日ごろからUターンして進路を南東へ変えるように見えますが、実際は九州の南から本州南岸で「停滞する」とみられています。

台風は予報円の中心を進むとは限らず、予報円は「台風の中心が 70 % の確率で入る範囲」を示しています。

予報円の中心を線で結ぶと南下するように映りますが、重要なのは「予報円が重なり合って団子状態になっていること」です。

3時間ごとの雨・風シミュレーション(4日以降は気象庁の進路予想と大きく異なります)

気象庁の進路予想図から中心線を除くと、4日から7日にかけて予報円が九州の南から日本の南で重なり合っています。

このように円が重なる場合は「その海域で動かず停滞する」可能性を示しています。

台風が北にも東にも進まない2つの理由

5日ごろにかけて、台風を北よりへ押し出す壁となる太平洋高気圧が後退し、台風を東へ押し流すジェット気流も、今週は本州付近を流れる予想です。

台風自体に進む力はほとんどないため、高気圧にもジェット気流にも乗れない「見放された状態」となることで、九州の南から日本の南で迷走・停滞を引き起こすとみられています。

台風停滞で大雨が長引くリスク

台風24号が停滞するとみられる海面水温は 28 ℃ 前後で、勢力を維持できる水温ではありますが、平年と比べるとやや低い状態です。そのため、急速に発達したり一気に衰退したりはせず、現状の強さを保つと見込まれます。

台風た停滞するとみられる海域の海面水温 平年より低い▼3時間ごとの雨・風シミュレーション(4日以降は気象庁の進路予想と大きく異なります)

台風24号が同じ場所に留まることで、暖かく湿った空気が秋雨前線に流れ込み続け、大雨が長びくリスクがあります。

雨・風シミュレーションと大きなズレに要注意

スーパーコンピューターによるシミュレーションのひとつ「GSM」と呼ばれる数値計算モデルでは、4日ごろまでは気象庁が発表している予想と同じような進路をとる計算です。

しかし、その後停滞せず、4日ごろから6日ごろにかけて四国から本州を東よりに進む予想になっています。

4日までは「九州の南に北上する予想」は共通。それ以降は進路予想図と全然違うシミュレーションになっていることに要注意▼3時間ごとの雨・風シミュレーション(4日以降は気象庁の進路予想と大きく異なります)

このシミュレーションは、あくまでも「数ある計算のひとつ」で、実際に気象庁が発表している進路予想とは異なることに特に注意が必要です。

いずれにしても、日本付近に停滞する秋雨前線と、台風から流れ込む暖かく湿った空気の影響で大雨が予想されています。

台風の進路や前線の動向によっては、6日頃にかけて大雨が続き、総雨量がさらに多くなる可能性もあります。

気象庁の雨・風・波の予想と防災事項

[雨の予想]
▼2日6時から3日6時までに予想される24時間降水量は多い所で、
  北海道地方   80ミリ
  東北地方   100ミリ

▼その後、3日6時から4日6時までに予想される24時間降水量は多い所で、
  東北地方    80ミリ
  関東甲信地方 100ミリ
  北陸地方   120ミリ
  東海地方   150ミリ
  近畿地方   150ミリ
  中国地方   100ミリ
  四国地方   200ミリ
  九州南部   150ミリ
  奄美地方   150ミリ

▼その後、4日6時から5日6時までに予想される24時間降水量は多い所で、
  関東甲信地方 120ミリ
  東海地方   200ミリ
  近畿地方   200ミリ
  中国地方   100ミリ
  四国地方   300ミリ
  九州南部   200ミリ
  奄美地方   120ミリ
その後も、大雨が続いて総雨量がさらに多くなる可能性があります。

[風の予想]
▼2日から4日にかけて予想される最大風速(最大瞬間風速)
  奄美地方 18メートル(25メートル)
  沖縄地方 17メートル(25メートル)

[波の予想]
▼2日から4日にかけて予想される波の高さ
  奄美地方 4メートル うねりを伴う
  沖縄地方 5メートル うねりを伴う

[防災事項]

東北地方では、2日は、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。

南西諸島では、4日にかけて、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒し、強風やうねりを伴う高波に注意してください。

西日本から東日本では、3日から6日頃にかけて土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒してください。