ことしの夏も、各地で厳しい暑さが続いていますが、この暑さは、果物にも大きな影響を与えています。
宮崎県内では、近年、ミカンなどの日焼け被害が報告されていて、生産農家は、不安の中、対策を進めています。

黄色く焦げ付いたように変色したミカン。日差しによる日焼けで、商品価値はなくなってしまいます。

宮崎市など中部農業改良普及センターの管内では、おととし、日焼け被害により、ミカンの収量が半分程度に減ったということです。

近年、県内でも多く確認されているミカンの「日焼け」。県の担当者は、そのメカニズムについて…

(宮崎県農産園芸課 原ノ後 翔さん)
「日射が直接果実に当たることで果実の水分が蒸発して、果皮が耐えきれなくなって、硬くなったり、変色したりというようなことが日焼けは起こっている」

直射日光の温度が高まっていることが、要因とみられる日焼け被害。
日南市で、ミカンを栽培する弓削さんの農園でも、ここ数年、苦しめられてきました。

去年は、日焼けなどの被害でおよそ300キロのミカンを処分したといいます。

(弓削ファーム 弓削勇雄社長)
「(日焼け被害は)痛手ですね。自然が相手なので、農家としてはどうすることもできないというのが、実情だったですね」

こうした中、弓削さんは、今年、ある対策をとりました。

(玉岡克希記者)
「ビニールハウスでは、こちらの自動開閉装置を利用して、中の気温を調整しているということです」

これまでは、梅雨明けから9月にかけて暑さ対策もあり、ビニールを全開にし、風通しをよくしていました。

しかし、今年は直射日光を防ぐため、全開にしない運用に変更。これが功を奏し、今年は日焼けを防げているといいます。

また、県では、皮を強化し、日よけにもなる「カルシウム剤」の散布など、日焼けを防ぐ対策を推進しています。

それでも、夏の暑さが、厳しさを増す中、農家は、不安を抱えています。

(弓削ファーム 弓削勇雄社長)
「今のみかんが10年後、20年後できるかって言ったら、正直不安なところなので、新たな作物を開拓していかないと、農家としては生き残れないのかなというふうには感じています」

農林水産省によりますと、将来的な気温上昇により、20年後には、県内沿岸部は、ウンシュウミカンの栽培に適した地域ではなくなると予測されています。

これまでの農業が通用しなくなりつつある中、長期的な視点での対策が求められます。