■SNSが結んだ縁。“藍色”に込められた意味

コンクリートアートとの出会いは、おととし・2024年のことでした。

父親の功二さんと共通の知人を通じ佐川さんの存在を知った、徳島在住のコンクリートアーティスト・喜田智彦さんが、彼のSNSを見たことがきっかけでした。

佐川さんのインスタグラムより

SNSでは、脳出血の後遺症と向き合う佐川さんの日常を、父・功二さんが発信しています。

日常の苦難と懸命に向き合う親子の姿に心を動かされた喜田さんは、「自分にできることはないか」と考えるようになりました。

(コンクリートアーティスト・喜田智彦さん)
「陸さんが愛媛のイベントで、テクスチャ―アート(立体的な抽象画)をしてみたという投稿だった。お父さんが『就労を考えると、色々なことを模索しなければ』と綴られているのを読み、“私にできることがある”と直感した」

佐川さんのインスタグラムより

喜田さんからの温かい申し出。

父・功二さんは、コンクリートアートで使われる「藍色」が、脳卒中啓発のシンボルカラーと同じであることにも、不思議な縁を感じたといいます。

以降、佐川さんは、リハビリや障害福祉サービス事業所で働きながら、左手一本で精力的に作品を生み出しています。

創作中の佐川さん(父・功二さん提供)

活動を支援する父親の功二さんは「芸術を通じて社会とつながる機会を持たせたい」と、息子の未来に期待を膨らませています。

(父・功二さん)
「創作を通じて色々な人との交流が生まれ、また、作品の購入者も喜んでくれる。社会とつながるため、アートがひとつの切り口になって息の長い取り組みになれば」

今年に入ってからは自宅のアトリエでワークショップを開くなど、社会とのつながりはますます強まっています。

佐川さんのインスタグラムより