魚による食害も…収穫減でふるさと納税返礼品にも影響

海水温の上昇による影響は、これだけではないようで…

番組ディレクター
「すごい!四方八方のりだらけ!」

番組が同行した漁では、海中から巻き上げられた網にはたくさんの「のり」が付いていて、船尾では大量の「のり」が、どんどんと振り落とされる様子が見られました。一見、収穫は多い様にも見えましたが…

のり漁師・三辻正幸さん 
「いやいやいや、いつもの3分の1とか。今年はひどい!」

例年だと1日におよそ3万枚の「のり」が収穫できていましたが今年は7000枚ほど。その理由とは?

のり漁師・三辻正幸さん 
「魚に食われているんですよ」

魚が「のり」を食べてしまう、食害の影響だというのです。

三辻さんが撮影した映像には、海中で養殖されている「のり」に魚たちが一斉に群がり、ついばむように食べている姿が捉えられていました。

実はこうした食害も水温の上昇が関係していて、さらに今シーズンは雨の少なさが影響し食害が起きたというのです。

のり漁師・三辻正幸さん
「魚は遠慮が無いので、のりが食べられて糸だけになっちゃう。のりの生長を助けてあげようとすると、収穫まで約1か月かかるんですね。そうすると水揚げも収入も全くゼロの状態が続いてしまい、このままやっていていいのかなっていう日々が、ずっと続きますね」

この「のり」は富津市のふるさと納税の返礼品にもなっていますが、現在は受注を断らざるを得ない状況になっているそうです。

のり漁師・三辻正幸さん
「会社にのりの在庫がないんですよ。もう底をついちゃって。富津市のふるさと納税の返礼品は今断ってるみたいで」