「僕の仕事は供述を変えさせること」密室で作られる“検事の作文”
こから164日間、私は拘置所を出ることができませんでした。
当時の日本人宇宙飛行士の最長宇宙滞在記録が163日でしたから、「勝った」と内心自慢していたくらいです。笑えない話ですが。
取り調べで最初に驚いたのは、調書というものが自分の想像とまったく異なるものだったことです。
一生懸命説明した内容が記録されるのではなく、事件への関与を示せる部分だけが調書になっていく。
担当の検事は「僕の仕事はあなたの供述を変えさせることです」とはっきり言いました。真相解明ではないのです。
ある検事が最後の日に作ってくれた調書を確認すると、私が言っていない内容が書かれていました。
「全部が違う、これは私ではなく別人の調書でしょう」と抗議すると、彼は「これは検事の作文です、筆が走ったところがあるかもしれない」とあっさり自分で修正を始めました。
わかっているなら最初からそう書いてほしい。そう思いながら、やっと正しい内容の調書ができあがりました。
取り調べはプロの検事とアマチュアの被疑者が、レフリーも弁護士もいない密室で対峙する場です。
弁護士にこう言われました。「勝てないんだから、負けないことだけ考えなさい」と。その言葉で、私はずいぶん楽になりました。














