厚生労働大臣の回答(見解)

厚生労働大臣の上野賢一郎です。被爆により亡くなられた方々、また先の戦争で犠牲になられた方々に哀悼の誠を捧げるとともに、ご遺族の方々にお見舞いを申し上げます。
まず、私から、いただきました原爆被爆者援護対策に関するご要望につきまして、回答をさせていただきたいと存じます。
まず、原爆症認定に関するご要望につきまして、お答えをいたします。
厚生労働省では、平成21年の確認書を踏まえ、専門家や日本被団協の方々にもご議論をいただき、現行の新しい審査の方針を策定いたしました。
確認書締結以降に提訴された訴訟で、国が一部敗訴したものについて、裁判では行政認定と異なり、個別の事情に基づいた判断が行われること、行政認定の際に確認できなかった行動や症状が裁判で新たに認められることなどによる裁判所の事実認定により、新しい審査の方針に基づき認定可能なものは判決を受け入れているところであります。
今後とも新しい審査の方針に基づき、迅速かつ丁寧な審査を行っていくとともに、被爆者の方々に寄り添った対応を行ってまいります。
高齢化する被爆者の方への支援に関するご要望につきまして、お答えをいたします。
原爆ホームや原爆病院などの施設は、高齢化が進む原爆被害者にとって医療や福祉の向上を図るためにも重要です。引き続き施設の改善などに必要な予算の確保に努めてまいります。
また、高齢になられた被爆者の方が介護保険サービスを利用された際には、自己負担に対する補助を行っているところでありますが、令和3年度からはその対象に認知症グループホームを追加しております。そのほか、介護手当の申請に対する被爆者の方の負担軽減を図るなどしており、今後も引き続き、ご高齢の被爆者の支援に努めてまいりたいと考えております。
▶ 被爆2世・3世について
次に、被爆2世・3世の方等に関するご要望につきまして、お答えをいたします。
ご本人が被爆されていない被爆2世の方は、これまで放射線影響研究所において様々な調査が行われておりますが、親の放射線被爆に関連をして被爆2世の方ご本人の健康への影響があることを示す調査結果は得られていないところであります。
このため、被爆3世の方も含め、被爆者として援護施策の対象とすることは難しいと考えております。
放射線影響研究所においては、昨年12月より被爆者の被爆線量と子どものDNA変異数の関連を調べるトリオゲノム研究に着手していただいているものと承知をしております。
厚生労働省としては、被爆2世・3世の方への施策については、科学的知見に基づいて対応することが必要と考えておりますので、引き続き放射線影響研究所による調査を注視してまいります。
▶「被爆体験者」への被爆者健康手帳交付について
被爆体験者の方々への被爆者健康手帳の交付に関するご要望につきまして、お答えをいたします。
被爆体験者の方々のお求めについては、過去に最高裁まで争われ、身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情のもとにあったとは言えず、原子爆弾投下後、まもなく雨が降ったとする客観的な記録はないことなどから、被爆者と認定できない旨の判示がなされております。
一方で、その原告の方々の一部から新たに提訴された訴訟については、現在、福岡高裁の判断を仰いでいるところであります。
こうした事情の中で、令和6年8月9日の面会の席で当時の岸田総理から指示のあった合理的な解決策として、厚生労働省では被爆体験者の皆様にも被爆者の方と同等の医療費助成を行うこととし、すでに多くの被爆体験者の方にご利用いただいていると承知をしております。
厚生労働省としては、引き続き、こうした支援を着実に実施をしてまいります。














