喜多方市の中心部に位置する「田原屋菓子店」は、趣のある蔵造りの建物が印象的な、100年以上続く老舗の菓子店です。レトロな雰囲気が漂う店内で、伝統の味が守り続けられています。
静かな作業場では、指先の細かな技術が求められる和菓子作りが行われています。夏には朝顔やひまわり、スイカといった季節を感じさせる上生菓子が、目で楽しめる逸品として店頭に並びます。季節ごとに15種類以上が作られ、例えば朝顔の菓子では、砕いたかんてんこまで朝露が表現されています。
お店を切り盛りするのは、4代目の新明竜太さん。専門学校で製菓技術を学んだ後、すぐに店に戻り、父親のもとで30年間腕を磨いてきました。新明さんは、店の100年の歴史について「そのときそのとき、一生懸命お店を切り盛りして、お菓子作って、お客さんに食べてもらって、評価を受けてっていうのの継続性が、100年今あるっていうことだと私は考えてるので」と語ります。
田原屋は大正初期に創業しました。初代のナカさんが、隣の塩川町田原地区から行商を始め、その人気から店舗を構えたのが始まりです。当初は喜多方のレトロ横丁商店街にお店がありましたが、2003年に人の流れが多い現在の市役所通りへと移転しました。
バリエーション豊富な菓子の中でも、お店を代表するのが「一口まんじゅう」です。白い饅頭には黒い小豆のあんこが、茶色い皮の饅頭には白あんこが入っています。一口で頬張れる大きさで観光客に人気ですが、地元ではお盆などに天ぷら饅頭にするために購入する人も多いそうです。かつては1個10円で販売されていたことから「10円まんじゅう」とも呼ばれていましたが、現在は15円で、1個から購入できます。
その他にも、北海道産の小豆を使った自家製あんこがたっぷり入った大福や、ずんだの香りが爽やかな大福、洋菓子の経験を生かしたガトーショコラなども並びます。
夏場には、昔ながらの機械を使ったひんやりスイーツも人気です。昭和初期から戦後にかけて作られたという、80年以上前の年季の入った機械で削るかき氷は、どこか懐かしさを感じさせます。客からは「氷が柔らかい」「口どけがいい」と評判です。
かき氷は、器にシロップを入れてから氷を削るのが昔ながらのスタイル。かつては木製のおか持ちを使い、ガラスのグラスに入れて自転車で近所に配達していた時期もあったといいます。
味の種類は20種類以上あり、中でも人気なのが白ささぎが入ったオリジナルのシロップ「銀だるま」です。名前の由来は正直わからないそうですが、縁起を担いで付けられたのではないかとのこと。そして価格は200円からと、「お子さんがお小遣い持って食べれるっていうような値段で頑張ってます」と新明さんは話します。
新明さんは、「喜多方に来る1つの材料になってくれるお店でありたいなと思いますね。わざわざ喜多方に来てもらって、ラーメン食べたついででもいいんで、帰りには田原屋さんに寄って甘いもの食べてくんだっていうお店でありたいなとは思いますね」と、地域に根ざした店としての想いを語りました。
『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2026年8月7日放送回より)














