プロローグ

東京大学大学院教授・赤川学氏が提唱する「猫社会学」は、ネコと人間の不思議な関係を学問的に解き明かすユニークな試みです。自らの深刻な「猫ロス」体験をきっかけに生まれた研究は、ネコが人間を下僕にするほど愛される理由を進化論的・社会学的に考察。40人以上の飼い主へのインタビューから導き出された「8つの意味づけ」は、ネコ好きなら思わず共感してしまう洞察に満ちています。

多くの飼い主が、愛猫に対して言葉にできない深い愛情を抱いています。

なかには「自分は完全にネコの下僕だ」と自嘲気味に笑う人も少なくありません。

そんなネコと人間の不思議な関係を、学問の光で解き明かそうとするユニークな試みがあります。それが、東京大学大学院教授の赤川学氏が提唱する「猫社会学」です。

母校で語った「猫社会学」の奥深い世界へご案内

赤川教授は2026年7月12日、自身の母校・石川県立羽咋高校の同窓会で講演を行い、「猫社会学」の奥深い世界を紹介しました。

歴史社会学や少子化問題など専門としてきた赤川教授が「猫社会学」に強い情熱を注ぐようになったきっかけは、教授自身のプライベートな「猫歴」にあります。

大学院生の最後に飼い始めた初代の愛猫「ニャンコ先生」にどっぷりとハマり、2011年にそのネコを看取った際には重度のペットロス(猫ロス)を経験しました。

猫ロス「恋人が死んで、すぐ次とはならないでしょう」

◇赤川教授…「次のネコを飼えばいいと言う人もいましたが、それは恋人が死んで、すぐ次の人を作れるかという話と同じ。『101回目のプロポーズ』や『めぞん一刻』のような葛藤がありました」

それから5年、どうしても「あの柔らかさ」が忘れられずに再びネコを飼い始め、現在は3匹のネコと暮らしています。