調査検討委員会が指摘した3つの問題点 問われる責任の所在

井上キャスター:
実際、NHK側の会見でも「強くプライバシーを保護する」ということで公表しないという旨が発表されています。

調査検討委員会が指摘した協会の問題点は3つあります。

【調査検討委員会が指摘した協会の問題点】
(1)復職場所について「特段の配慮」がなされなかった
他の休職者などへの対応に影響が広がると懸念し、前例踏襲の対応に終始。

(2)組織的な対応が欠落していた
関係者間で「ファクト」と「事案の深刻さ」の共通認識形成がされず、対応方針や役割分担に関する検討がなされなかった。

(3)再発防止策等の検討の欠如
リスクマネジメント室や担当理事らに報告されることなく、組織として再発防止策の検討がされることもなかった。

ここで大きな焦点になりそうなのが、現所属での復職が原則であり、「特段の配慮」をNHK側が認めなかったという点です。

厚生労働省の手引きには「元の職場への復帰の原則」と記載されています。NHKとして、それを認めるかどうかの線引きや、どのような経緯でその判断に至ったのかについて、どのようなことが言えるでしょうか?

レイ法律事務所 河西弁護士:
厚生労働省のガイドラインには、「具体的に復職支援プランを作成する」という指針があります。

例えば、主治医や産業医から意見聴取をして、「こういうタイミング・環境でスタートしましょう」というプランを作っていくわけですが、そこについて怠っていた可能性があります。

この責任が誰にあるかというと、NHKの人事局の担当者です。今回の事案を把握した後に必要な判断をしなかった、特段の配慮をしなかったという点が人事担当者の問題として出てくると思います。

出水キャスター:
産業医も「同じ現場ではなく別の現場で」という進言をしていたそうですが、それも聞き入れられなかったというのは、結構異例なことではないでしょうか?

レイ法律事務所 河西弁護士:
放送業界における、昔の人権意識が色々なところから垣間見えるところではあります。

フジテレビや日本テレビの事案がある前の、旧体制の感覚に基づいて、各人が対応しているというところがあるからこそ、特段の配慮はしなかった。前例踏襲といったようなところが垣間見えるかと思います。

井上キャスター:
テレビ局は、そういった体質が古いと言われてきた業界です。

他の民間企業も含め、社会全体でコンプライアンスが確立されている中で、今回、NHKが他の担当部局と情報共有すらできていなかった点について、どのように見ていますか?

レイ法律事務所 河西弁護士:
まさにそれが2つ目の最重要ポイントになってきますし、フジテレビ事案とも共通の状況になってきます。

どういうことかというと、これだけ重要な事案があったにもかかわらず、▼「トップである会長や副会長に共有しなければいけない」という意識が現場になかったということ、▼そういった体制が十分に機能していなかったということが、まさに組織全体の問題になってくると思います。