デビューしてからの賞というのは「狙っていけるものじゃない」

堀内:
なるほど。受賞の前と後で生活が変わったことなどはありますか?

朝倉かすみさん:
いや、まだそんなに変わらないですね。

堀内:
日常はこれまで通り進んでいる感じですか?

朝倉かすみさん:
そうですね。受賞エッセイの注文がいくつかありましたので、その締め切りがギュッと詰まっていて、それを一つずつこなしている感じです。

堀内:
改めて、直木賞への思いや思い入れというのはどのようなものがありましたか?

朝倉かすみさん:
どうなんだろう……新人賞というのは取らないとデビューできないと思っていたので絶対欲しかったんですけれど、デビューしてからの賞というのは「狙っていけるものじゃない」と思っています。
運が良かったり、たまたまタイミングが良かったりした時にご褒美としてもらえるようなものだなと。

堀内:
作品を出す時も、常にそういったお気持ちで?

直木賞受賞作「けんぐゎい」を指さす朝倉かすみさん

朝倉かすみさん:
そうです。「狙いに行った」とかそういう感じではなくて、どう狙っていいのかも分からないですし。すごく研究しなきゃいけないじゃないですか、狙うためには(笑)。それは私には向いてないと思います。

<後編>では、朝倉さんが小説を書き始めたきっかけから、気になる次回作の構想をじっくり語っていただきます。

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