沖縄県恩納村を中心に活動するある団体。フードロスなど『使われていない資源』=『未利用資源(みりようしげん)』を活用し、手作り弁当を通して食育につなげ、孤食をなくそうと取り組んでいます。

レタスのかき揚げに、冬瓜たっぷりのカレー。料理を作っているのは、NPO法人『沖縄O.C.E.A.N』が展開する“マーメイドママプロジェクト”のメンバーです。

子どもたちに無料で弁当を提供し、食育や孤食をなくそうと活動しています。無料で弁当を提供する団体は他にもありますが、マーメイドママの特徴はー

沖縄O.C.E.A.N 伊江玲美代表理事「私たちの大きな違いは”未利用資源”を活用する、フードロスだったりとかを活用してお弁当を作る」

持続可能な食の在り方を探る取り組みはー


『マーメイドママ』では、主に地元のホテルや農家、スーパーのフードロスなどいわゆる”未利用資源”を使って弁当を作っています。未利用資源だといって見くびることなかれ、見ての通りすごい綺麗な状態だったりとかレタスもあります。

代表理事の伊江玲美さん。伊江さんはアメリカのスタンフォード大学卒業後、農食文化・環境社会学の研究者として、持続可能な食のあり方を世界に発信してきた”食のスペシャリスト”。

そんな伊江さんのもと、2020年のコロナ禍でスタートした『マーメイドママ』。きっかけは散歩中に出会った子どもたちの会話でした。

伊江さん「『今からご飯どうするの?』て夕方くらいだったので『家に帰っても一人でしか食べれないし、お菓子でいいんだ』みたいな」

当時、子ども食堂がなかった恩納村。しかし様々な事情で食事がままならない子どもたちの存在を知りました。さらに自身がシングルマザーになったこともきっかけの一つだと話します。

伊江さん「病気になったりとか、経済的に難しくなった時にもうとにかく『あそこに行ったらご飯食べられるから、今日はそこに行って』って言える場所があるっていうのは親にとってすごく安心感がある社会システムだなっていうのを自分の実体験として感じたんですね、それがまずなかった、だったら元気なうちに作ろう」

自身の経験を活かし、子どもたちに食の喜びを伝えたいと始めたのが『マーメイドママプロジェクト』。活動の主旨に賛同する地元住民もボランティアとして参加しています。

現在は毎週金曜日、およそ60食の弁当を作り、3つの自治体の学習塾で就学援助を受ける子どもたちに提供しています。

NPO法人エンカレッジ恩納学習支援教室 古林彩子教室長
「揚げ物出ている時は一番喜びますし、楽しんで食べてもらっていますね。学習塾メインで活動しているので、なかなかここまでは自分たちで難しいのでとても助かっています」