『痩せるゼリー』で健康被害を訴える声が続出。原因は違法成分「シブトラミン」だ。なぜこのような商品が出回っているのか?去年、MBSは名古屋にある輸入品販売会社を直撃したものの、もぬけの殻で真相解明には至らなかった。しかしこのゼリーをめぐって新たな動きが。さらに取材班は『ボスN』を追ってベトナムへ向かった。

違法成分入りゼリーを販売目的で所持疑い…ベトナム国籍夫婦を逮捕

 (記者リポート 1月18日)
 「午前7時20分です。健康被害が相次ぐ危険な痩せるゼリーを販売していたとみられるベトナム国籍の男が捜査員に連れられて出てきました」

 逮捕されたのは東京都荒川区に住むベトナム国籍の妻(26)と夫(31)です。

 警察によると、2人は去年12月、日本では承認されていないシブトラミンなど複数の医薬品成分が含まれた「Detoxeretゼリー」930本を販売する目的で所持した医薬品医療機器法違反の疑いが持たれている。シブトラミンは、アメリカでは痩せ薬として肥満治療に使用されていたが、54人が死亡して販売中止になっている。

 妻が販売を主導し、夫が商品の発送作業などを担当。フリマサイトで販売していたと見られている。

 【商品説明より】
 『1か月8-15キロ減らせる』
 『あなたに理想的な体を与えます』

 “食べるだけで痩せる”とうたい、サイトではゼリーのほかにチョコレートやグミなどを販売していた。MBSが独自に鑑定した結果では、これらの商品にもゼリーと同じシブトラミンが含まれていた。2人の自宅からこれらのダイエット商品が400箱以上押収されたという。一体なぜ2人は販売に手を染めたのか。

 (容疑者に話しかける記者 1月18日)
 「ゼリーには危険な成分が含まれていたんじゃないんですか。違法だとわかっていましたか。なぜ日本でゼリーを販売しようと思ったんですか。健康被害いっぱい出ていますよ」

 警察の取り調べに対して妻は「違法な成分が入っていないと思っていた」、夫は「妻が一人でやっていた。私には関係ない」と容疑を否認しているという。