2024年、北海道江別市で当時20歳の大学生、長谷知哉さんが集団暴行を受け死亡した強盗致死事件の裁判員裁判で23日、事件発生当時、長谷さんの母親が捜査機関に述べた供述の内容が検察側の証拠として示されました。
強盗致死などの罪に問われている、主犯格とされる当時18歳の男と当時17歳の少年の裁判員裁判は、23日、検察側の証拠調べで、長谷さんの母親が捜査段階で述べた内容が証拠として示されました。
(長谷さんの母親の供述調書)抜粋
我々夫婦、姉にとっては8歳下の弟ということで、3人とも孫や息子を見るような気持ちでした。息子はいつもニコニコしていて天使のような存在でした。
息子は釧路市立小、中と進み、中2で学級委員長もしました。交際相手の八木原(亜麻被告・21)は同じ中学の1学年下と聞いていて、合唱部だったようですが、名前は知りませんでした。
息子は一度決めたらやりぬく性格でした。人付き合いには苦手意識があり、ケンカしたことはなく、ケンカできない、暴力には縁がない子でした。
警戒心が強く、ヤンキーのような子にも近づかず、たむろしている人たちも避けて通る子でした。息子は理屈っぽく、難しい、先生が生徒に話すような態度で話すので、犯人に誤解されてしまったのかなと思います。
息子が高3でアイドルを好きになったことで、今まで交際経験がなかったため「やっと自我が目覚めたか」と家族で笑いあったことを覚えています。
息子の初めての彼女が八木原亜麻でした。息子は大変喜んでいました。
彼女ができたことを私が初めて知ったのは(2024年)10月9日の夕方でした。
「大学終わった?」「自動車学校には行ってるの?」と電話していたところ、息子が嬉しそうに大きな声で「彼女できました」と言いました。
「いつできたの?」などと私も聞いたら、「9月23日」と、(家族に関する日付の内容)覚えがあるので間違いないと思います。
「どうやって知り合ったの?」と言うと、「中学の一つ下で合唱部だった子」「中学の時も一緒に帰ったりしていた」「札幌の高校に行き、今は江別の大学にいる」
「お母さんは知らない子だわ」と言っていました。私も合唱部時代の女の子の名まえは覚えていなかったので知らなくて当然だと思いました。
その他にも、合唱部の全道大会に彼女が母と来ていて、会ったこと。そのあと食事に行き、食事代を出してもらったことも話しました。そのあと、自動車学校の送迎バスが迎えに来るということで電話を切りました。
姉にその話を伝えたところ「はじめての彼女じゃん」と喜んでいました。
10月26日、忘れもしません。
夜のニュースで「江別の公園で男子大学生の全裸の死体が見つかった」と報じられていました。
私は、何か嫌だなと思いました。
ニュースと同時に電話が鳴りました。
私は怖くて1回目は出られませんでした。
恐る恐る電話番号を調べると、それは江別警察署の代表電話でした。
数分後には同じ電話番号から電話が来ました。
涙が込み上げて電話に出れなかったので、娘を呼んで出てもらいました。
刑事さんの話では、体の特徴から、息子に間違いないと思いました。
息子にすぐに電話しましたが出ず、LINEをしても、いつもなら十数分で返ってくるのに、返信がありませんでした。
警察に千歳の寮に来てと言われたので、千歳へ行きました。着いたのは午前0時を回った頃でした。息子の彼女が通報してくれて、息子が江別にいることがわかったと言っていました。
その日は、寮の別室で過ごしました。
「亡くなってるのは息子」だと思いましたし、そうじゃなかったとしても顔での判別がつかないと聞いていて、ひどい暴力を受けたんだと思い、大変痛ましいなと思いました。
息子だと思うと、無念でほとんどその日は寝られませんでした。
翌朝、刑事さんから電話がきました。指紋が一致したとのことでした。
亡くなったのが宝物である息子だとわかり、電話に出ていた夫は目頭を押さえながら「くそ、くそ」と泣きだし、周りを気にする余裕がなく、涙が枯れるまで寮で私と娘も泣きました。
午後2時に江別警察署に行くことになっていたので江別に行きました。
息子とは関係ないこの街で息子が、と思うと景色が見られず、早く息子を連れ出して暖かい家に帰りたいと思いました。
刑事さんから、息子のことに息子の彼女が絡んでいて、いま逮捕して話を聞いていると聞きました。
通報してくれた彼女に感謝をしていたくらいでしたが、彼女とのケンカがきっかけで、彼女の友達に暴行されて亡くなったと知り、彼女が元凶で悪魔なのだとわかりました。
数日前、息子の親友と連絡を取ると、そういえば、息子が合唱部のころ、「知らないおばさんがよく見に来る」と話していたのを思い出しました。それが八木原の母でした。
8月の厚別での演奏会に「俺だけ中学の合唱部の後輩の家族に誘われた」と話していて「なぜ6年も会ってないのに?」と変な感じがして「行くんじゃない」と言いました。
その後に八木原と交際が始まりました。
予感の通り息子を会わせなければよかった。
なぜ1か月で殺意が芽生えたのか。
他の5人は、あかの他人で殺意があったとは考えにくい。
なぜとがめる人がいなかったのか、救急車を呼ばないのか、残念でなりません。
息子の最後は絶望以外の何でもありません。
ヤンキーのような子は一番苦手でとことん接触しないようにしていました。なので息子は一度も絡まれたこともありませんでした。
きっと初めての彼女が正しく見えなくなり、油断してしまったのでしょう。
息子は殺され、お金を奪われ、マスコミに顔までさらされ、私たちは深い悲しみにあるのに、犯人の親たちはテレビには一切でてきませんし、謝罪もないです。
父と息子は男2人で旅に行っていました。
夫は息子が死んで以降、毎日泣いています。
息子は目に入れても痛くない存在でした。
犯人に対しては厳罰を望み、死刑にでも、なんでもしてほしいですし、刑務所から一生出られないようにしてほしいです。
起訴状によりますと、主犯格とされる当時18歳のアルバイトだった男は、当時17歳の少年ら男女5人と共謀し、2024年10月25日から26日にかけて、長谷知哉さん(当時20)の顔や腹部を多数殴る蹴るなど暴行。
さらに「全部出せ、全額」「クレジットカードもな」などと脅迫して暴行を加え、現金やカードなどを奪い、長谷さんを外傷性ショックで死亡させたうえ、奪ったクレジットカードでタバコなどをだまし取ったほか、キャッシュカードで現金12万7000円を引き出したなどとして、強盗致死や詐欺、窃盗などの罪に問われています。
判決は8月7日に言い渡される予定です。
おことわり
HBCでは、特定少年の被告を実名で報じるかどうか、事件ごとに判断しています。今回の事件は、1人の大学生の命が失われた結果の重大性、社会的影響の大きさなどを総合的に判断した結果、地上波テレビ放送では実名で報じることにしました。なお、デジタル配信の記事は、半永久的に残るインターネットの特性を考慮して匿名で報じています。














