6月19日、佐賀県みやき町の綾部八幡神社。

ご神木の大イチョウに登るのは会社員の水田佑哉さん(27)です。

水田佑哉さん「きょうは木登りの練習です。神旗人の使命を受けて今回登ることになりました」

毎年7月に行われる「旗上げ神事」。

「神旗人(かみはたびと)」と呼ばれる3人の男たちが、締め込み姿でご神木に登り、麻の旗が付いた竹を引き上げて木に取り付けます。

平安時代から続く神事で、旗の巻き具合で、その年の風水害を予測することから「日本最古の天気予報」とも呼ばれています。

神旗人は代々、先輩が、信頼する後輩を指名して引き継ぐのが慣わしです。

水田佑哉さん「お世話になってる先輩から急に肩叩かれて、もうおまえに託すけんなって言ってもらって、やっと来たなって嬉しかったです」

ご神木の高さは25メートル。命綱はなく、素手で登らなければなりません。

木登りを指導するのは父親の敦史さんです。敦史さんも19年前まで神旗人を務めていました。

父・水田敦史さん「イメージして穴がどこにあるかだけ覚えといて、小さな穴があそこにあるけど、親指かけたり」

水田佑哉さん「ちょっと行ってみらんとわからん」

(登り始める佑哉さんを敦史さんが指導)

水田敦史さん「頂上まで行ったのは初めてですね。悔しいけど、思ったよりもスムーズ。まぁ私11年登ってみてきたってのもあるんです」

水田佑哉さん「思ったより高くて、怖かったですね。穴に足入れてとかしよる時に(けがした)。一番上の景色が凄くいいぞってずっと先輩が言っていた。凄い景色だった」

水田敦史さん「私は一年目に足つっちゃって。休憩して登ったんです。心配です。とにかく落ち着いて。堂々と、歴史のひとりになるわけですからね。そういう姿で登ってもらいたい」

子供の頃から神旗人に憧れていた佑哉さん。

自宅の庭にはこんなものがー

水田佑哉さん「ウチの御神木です。(綾部八幡神社の)御神木の下に銀杏落ちた所から芽が出てきてて、宮司さんに一本もらえますか?聞いた。持って帰って来て育ててる」

カメラマン「ミニチュア版、御神木?」

水田佑哉さん「小さい頃から神旗人に憧れていたんで、順番待ちへの時間があったんで、自分でこっちで(旗を)上げようと」

果たして本番でも見事に旗を掲げることができるでしょうか。

旗上げ神事当日

朝から地区の総代たちが集まり、丈夫な麻で神旗を作ります。

綾部八幡神社 宮司「謹んで風神様に願い申し上げます。ご祈祷申し入れ守ってくださいというお印で」

子ども神輿が奉納されると、旗上げ神事の始まりです。

場内アナウンス「1年目初の挑戦となります。水田佑哉くん」

敦史さんは会場の司会も

観客「あーおったおった」

観客「佑哉くん頑張れ!」

佑哉さんはご神木の一番高いところに登ります。

観客「すごいなと思って。どうやって足引っ掛けてるのかな」

観客「もう一番上に上がる」

観客「見える!凄い!」

いよいよ神旗を掲げます。

司会の水田敦史さん「さぁ御神木から見えてまいりました」

水田敦史さん「佑哉!ちょっと西に引っ張って」

水田佑哉さん「(竹の棒が)木に当たっとるっちゃん」

高さ25メートルの木の先端で、竹の棒が垂直に立つように調整し固定します。

そしてー

見事に神旗が掲げられました。

場内アナウンス「初のチャレンジ、大成功いたしました。皆さんご声援ありがとうございました」

水田敦史さん「あー疲れる。立派なもんです。まぁとりあえず一安心です。」

水田佑哉さん「だいぶ緊張しました。お願いやけん(旗が)真っ直ぐなってくれって気持ちでした。神旗人の名に恥じないように頑張っていきたいです」

佑哉さんたちが掲げた神旗。

家族や地域の絆を結び、人々の暮らしを見守ります。