夏の暑さ対策の定番となった手持ちの小型扇風機「ハンディファン」。手持ちだけでなく首に掛けたり、卓上で使ったりできる手軽さから、外出時の必需品になっている人も多いのではないでしょうか。

その一方で、便利なハンディファンには思わぬ危険も潜んでいます。
消費者庁は、内蔵されたリチウムイオン電池が原因となる発煙や発火などの事故を受け、使用方法や処分方法への注意を呼びかけています。

5年間で26件の事故、約6割は充電中に発生

消費者庁によると、2020年度から2024年度までの5年間に、携帯用扇風機ではリチウムイオン電池に起因するとみられる事故が26件登録されました。このうち16件、約6割が充電中に発生しています。

実際には、次のような事故が報告されています。

▶ 使用中に床へ落としたハンディファンをそのまま使い続けたところ、数分後に煙が出て焦げ臭くなり、破裂音がした。

▶ パソコンのUSBポートに接続して使用していた携帯用扇風機が、突然火柱を上げて発火した。

▶ 充電済みの携帯用扇風機をバッグに入れていたところ、バッグから煙が出て異臭がし、取り出した直後に発火した。

落とした後も使い続けるのは危険

こうした事故の背景には、内蔵されたリチウムイオン電池の損傷や異常があるとされています。

ストラップ付きハンディファン(写真提供:NITE・独立行政法人製品評価技術基盤機構)
写真提供:NITE・独立行政法人製品評価技術基盤機構による実験映像

リチウムイオン電池は、落下などによる強い衝撃や圧力で内部が傷つくと、その場では異常がなくても、時間が経ってから発煙や発熱、発火、破裂につながるおそれがあります。

一見すると正常に動いていても、強い衝撃を受けた製品は使用を中止し、変形した部分を無理に元へ戻そうとしないことが大切です。

捨てるときは家庭ごみに混ぜない

不要になったハンディファンの処分にも注意が必要です。リチウムイオン電池を使用した製品を家庭ごみに混ぜて捨てると、ごみ収集車やごみ処理施設で圧力が加わった際に電池が損傷し、発火して火災につながるおそれがあります。

ごみ収集車と同量の圧力をかけた実験(写真提供:NITE・独立行政法人製品評価技術基盤機構)

発火したハンディファン(写真提供:NITE・独立行政法人製品評価技術基盤機構)

処分する際は、自治体の分別ルールに従うほか、家電量販店などに設置されている回収ボックスを利用しましょう。
ただし、電池が膨らんでいるものや損傷が激しいものは回収できない場合もあるため、事前に自治体や販売店へ相談すると安心です。

暑さ対策に欠かせないハンディファンですが、誤った使い方や処分方法は思わぬ事故につながります。
落下などで強い衝撃を受けた製品は、異常がなくても使用を中止し、不要になった際は自治体のルールに従って適切に処分することが事故防止につながります。