価格転嫁しても利益に結びつかない実態

価格転嫁を実施した324社に対し、「十分な利益が出るよう価格転嫁ができているか」を尋ねたところ、「できていない」が45.1%と、「できている」(40.7%)を上回った。

価格転嫁した商品・サービスの売上・利益・販売数量・顧客数について、増加した割合から減少した割合を引いた指数(DI型指数)で見ると、売上は53.1と増加傾向を示したが、利益は13.3と売上に比べて改善幅が小さかった。さらに販売数量は-5.8、顧客数は-9.6と、いずれも減少した企業が多い結果となった。

業種別では、飲食サービス業の顧客数指数が-40.0と、顧客離れが特に顕著だった。

価格転嫁をしない理由は「交渉が困難」「消費者離れを避ける」

価格転嫁をしていない159社にその理由(複数回答可)を尋ねると、「価格交渉が困難・事実上不可能なため」と「消費者離れを避けるため」がともに25.2%で最多となった。次いで「取引先との関係悪化を避けるため」(24.5%)、「競合他社との価格競争が激しいため」と「自社の努力で吸収できているため」(ともに20.8%)が続いた。

業種別では、「価格交渉が困難」と答えた割合が建設業(40.0%)と医療・福祉(34.8%)で高く、「消費者離れを避けるため」は飲食サービス業(60.0%)や卸売・小売業(58.3%)で特に多かった。

海邦総研は「価格転嫁後も利益の確保が十分でない企業も少なくないことから、価格だけでなく、付加価値の向上や差別化など、価格転嫁後も顧客に選ばれる商品・サービスづくりが一層重要」だとしている。