漆製品の修理に適した、高温多湿な沖縄

また琉球漆器の修理を行う場合、漆の乾燥という工程があります。それには、高温多湿な沖縄の気候が合っているといいます。

漆の特徴と沖縄の気候は相性が良い

「漆という素材は、空気中の水分に反応して水分と結合して固まる特徴があるので、沖縄のような高温多湿、温度が必要ですね。あまり温度が低くても固まりにくいので、沖縄のような高温多湿な場所には(漆は)とても向いている素材なんです」

修理には時間がかかります。それほど大きくない文化財でも、修理におよそ1年かかったものも。

「1日でできる(作業)量がとても少ないんですね。漆が固まるのに時間がかかるので、きょうここを触ったら次の工程で触れるまでに1週間空いたり。そうやって、間を置きながら仕事をしていく」

修理された琉球漆器の文化財

火災後、土井さんら技術者の手によって、修理を終えた琉球漆器は33点。
被災した琉球漆器をすべて修理するには、早くても20年ほどかかる見通しです。10月には、そのうちの一部、修理を終えた美術工芸品の展覧会を県立芸術大学で行う予定です。

「琉球王府の時代に、これだけ技術レベルの高い素晴らしい漆器がたくさんあったということをまず、みなさんに知っていただきたい」

琉球王国時代から受け継がれてきた文化財。火災を乗り越え、技術者の専門知識と技術によって後世へと受け継がれていきます。