「100年、200年の傷みが一晩で…」

土井さんは東京で15年ほど修業を積んだのち、15年前から沖縄で文化財修理を続けています。漆の文化財修復師として県内で琉球漆器の修理を担っているのは、土井さんただ一人です。

文化財修復師 土井菜々子さん:
「損傷の状況としては、100年、200年かけて少しずつ傷んでいくものが(火災によって)一晩だったので、傷み方は強かったですね」

文化財修復師 土井菜々子さん

修理は沖縄美ら島財団を中心に、土井さんや東京の修復師のほか、科学分析を行う専門家などが1点ずつ被害に応じて話し合いながら進めています。

琉球漆器の修理に使う道具の多くは、土井さんが手作りしたものです。

「(修理道具の)ほとんど、柄の部分は木です。ここが金属だと、万が一ぶつかったときに漆器を傷つけてしまうので。できるだけ木、天然のものを使う」

修理道具から手作りする理由は他にも。

土井さんが手作りした修理道具

「商品だと、薬品処理されていたり染められていたりとか、何が使われているかわからないので、文化財には怖くて使えないんですね。なので、実家の裏は竹藪だよという人を捕まえて、その竹を分けてくれと言って竹を送っていただいて。それを自分で削って作る」