バレーボールの世界三大大会のひとつ、ネーションズリーグ(VNL)の予選ラウンド第3週日本ラウンドが開幕した。2大会ぶりのメダルを狙う女子日本代表は、上位7チームと開催国がトーナメント形式で戦う決勝ラウンド進出をかけ、通算7勝3敗の6位につけている(10日現在)。再び表彰台を狙う選手たちの素顔を、自身も中高でバレー部に所属(セッター)し、入社直後の98年から現場取材を重ねてきた、実況のTBS新タ悦男アナウンサーがリポートする(第10回)。
ベテランの本音
「私は、自分が決めることより、仲間が決める一球の方が嬉しい」
その一言こそが、島村春世(34)という選手を表している。
長く代表に呼ばれてきた。 それでも、世界大会でメダルを取ったことはない。 悔しさの方が多い。 ただ、その悔しさが次の目標へ向かう原動力になっている。
“仲間の一球が嬉しい”という価値観は、 この積み重ねた悔しさの上に立っている。
彼女のバレーボールの中心には、いつも自分とともに“自分以外の誰か”がいる。
その視線は、いつも仲間へ向いている。
日本に戻る新しいシーズン。
慣れ親しんだ日本だからこそできることがある。
「もう1回、自分自身の『フィジカル』を、基礎から見つめ直す大切な機会が得られた」
15年を過ごしたNECを離れ、韓国リーグへ。 個の力が強くても、チームで戦わなければ勝てない—— その事実を改めて突きつけられた1年だった。個を磨きながら、チームを引き上げる。代表でも紐づく、その挑戦の舞台として、群馬グリーンウイングスがあった。
「新天地である群馬をリーグ優勝に導けるように、自分のコート上でのプレーでも背中で引っ張る姿を見せてはいく。でも徹底的に自分の体をケアできる時間もある。フィジカルを新シーズンで徹底的に強化しつつ、次の、ロサンゼルスオリンピックに向けての完璧な準備へとつなげたい。大切な『土台を作る1年』にしたい」
それは“個人のため”から導き出した答えではない。
「フル代表の強度で、最速のテンポで動き続けるための『本当の体力』が、今の自分の身体だと落ちているなと、コートの中で、肌でハッキリと感じている」
世界トップの“超高速のスピード”。
その一歩目の負荷が、年齢とともに重くのしかかる。
本音を吐露する。
「リアルなことを言えば、今の私のフィジカルだと、国際大会の『2試合連続(連戦)で最初から最後までスタメンで出続けるスタミナ』は無い」
現状を受け入れる。
だからと言って手をこまねくわけではない。
「一人のバレーボール選手としては、『全試合、最初から最後までコートの上にレギュラーとして立ち続けたい』」
意地がある。
「だからこそ、体力的な部分でも、もう1回ゼロから徹底的に見つめ直すための、これ以上ない『最高の良い時間』にしようと、自分の中で強く決めている」

















