洗濯機サイズの超小型「観測衛星」とは? 製造工場にテレビ初潜入!

宇宙ベンチャー「Synspective」。創業してわずか8年で、世界から注目を集める観測衛星の製造工場で、メディアとして初めて撮影が許可された。

入ってみて驚いたのはその「静かさ」。一般的な工業製品の工場とは違い、人工衛星の組み立ては手作業で行うため、20〜30人のスタッフが作業する工場はしんと静まり返っている。

工場を進むと目の前に現れたのが「Synspective」が製造する観測衛星の「SAR(合成開口レーダー、Synthetic Aperture Radar)衛星」。SAR衛星は宇宙から地球の表面に向けて電波を発し、そのはね返りを受信する。こうしたデータを分析・画像化することで地表の観測を可能にする。

そして、驚くのがその「小ささ」。これまでの大型SAR衛星には数トンに及ぶものもあるが、Synspectiveの衛星はおよそ180キロ。家庭用の洗濯機ほどの大きさだ。

電波の送受信は一般的にお椀型の「パラボラ」を使うことが多い一方、Synspectiveが採用する板状の「フラットパネル」は観測データのひずみが少なく、広範囲を観測できることが強みだという。

さらに、太陽光の反射を捉える一般的な「光学衛星」は夜間や雲に覆われた場所の観測が難しい。一方、電波を使う「SAR衛星」は夜間や曇りでも観測ができる。

「SAR衛星」は夜間や曇りでも観測ができる

こうした超小型のSAR衛星を製造できる企業は世界にたったの5社。うち2社が日本の宇宙ベンチャーで、日本が世界で高い競争力を誇る分野だという

これまで打ち上げた衛星の故障は一度もないということだが、長年にわたって家電の製造に携わってきた森岡工場長は、宇宙に飛ばす衛星の製造ならではの難しさについてこう語る。

Synspective 森岡肇 工場長
「衛星は特に打ち上げ時のロケットの中の振動、音響によって壊れてしまうことが多い。ロケット打ち上げ時は旅客機のエンジンの200倍ほどの音がするが、それでも壊れないようにしなくてはいけない」

「衛星は最終的に宇宙に行ってしまうので、地上で品質確認ができない。問題が起きたとき、通常の製品であれば返してもらって解析すれば問題の原因がわかるが、それができないのが最もつらい」

Synspective 森岡肇 工場長

では、このSAR衛星、実際にはどのように使われているのだろうか?