「念願が叶いました」初めての北海道で語り始めた

2026年7月3日金曜日。昼間にもかかわらず、札幌の会場には大勢の聴衆が集まっていました。演台に立った曽我ひとみさん(67)は、紫のジャケットに白いブラウス、胸元には青いリボンのピンをつけ、手元に書いてきた原稿を持っていました。

「本日は、平日にもかかわらずたくさんの方がこの会場に足を運んでいただき、心より感謝を申し上げます」

そう静かに語り始めた曽我さんは、「生まれて初めて北海道に来ました。一度行ってみたいなとずっと思っていたのですが、念願が叶いました」と微笑みました。

穏やかな言葉の裏に、この講演にかける思いの重さがにじんでいました。

拉致被害者 曽我ひとみさん(2026年7月3日・札幌市西区)

「話がとても下手でございまして」と前置きをしながら、「書いてきたものを読ませていただきたいと思います」と述べた曽我さん。

しかし彼女の言葉は一つひとつ、会場に静かに、そして確かに届いていきました。

"拉致されてから48年、それでも問題は解決していません"

今年で帰国から24年目を迎えます。

そして、拉致されてからは48年。半世紀近い年月が経ったことになります。これだけ長い時間が過ぎたにもかかわらず、拉致問題は一向に進展が見られていません。

「親世代が元気なうちに解決を」そのスローガンを新たに掲げ、この2年余り家族会が活動してきましたが、何の成果も得られませんでした。

母を含む拉致被害者の救出のため、この先の1年が、たったの1日が、もう待てない、と訴え続けてきました。けれど現実は残酷なものです。進展のないまま、また今日を迎えてしまいました。

私の願いは、母を含む拉致被害者全員の帰国です。そのためにも、高市総理はじめ政府関係者、関係機関には早期に日朝会談の場を設け、拉致被害者全員の帰国に向けて交渉してほしいと思っています。