湯煙が立ち上る大分県別府市で、温泉の熱を利用し、不可能とされた国内でのバナナ栽培に取り組む農園があります。環境負荷を徹底的に抑え、年間4万本の安定生産に成功。地域資源を循環させるサステナブル農業の新たな“かたち”として注目を集めています。

自社で温泉掘削、独自の栽培手法

生産を手掛けるのは「別府温泉フルーツファーム」。南国フルーツの生産が夢だった長野善行さんが2019年に創業し、現在は従業員15人で栽培を続けています。

本来、暖かい気候で育つ亜熱帯フルーツは、四季があり冬に寒くなる日本での栽培は、ほぼ不可能とされてきました。

別府温泉フルーツファーム 増元香さん:
「当初はサイズも小さかったし、本数も少なかったです」

しかし、別府ならではの「温泉」を活用することで安定生産が可能に。ハウスの温度を支えているのは、自社で掘削した温泉の蒸気です。別府温泉の豊かな自然を生かした独自の栽培を行っています。

別府温泉フルーツファーム 増元香さん
「適温の25~35℃を保つように、ここに温泉の蒸気が通っています。蒸気の量を調節して、栽培に適した温度を管理しています」

さらに、堆肥には地域の枯葉を使用。農薬や燃料を使用しないエコ栽培を徹底。現在は年間およそ4万本の安定生産に成功しました。