円安背景に“国際競争力の低下” 2025年の貿易赤字は“約3兆円”

ではなぜ、こんなにも円が安くなったのでしょうか。

日米の金利差、つまり、ドルの方が利息が高いことや、積極財政への懸念が指摘されていますが、それ以外にも理由があるといいます。

国際通貨研究所・橋本将司さんは「日本の国際競争力の低下が長期的な円安要因になっている」と指摘します。

競争力の低下はデータからも明らかです。1986年の日本の貿易黒字は13兆円を超え、世界最大の貿易黒字国でした。

それが2025年は3兆円近い“貿易赤字”に...。輸出で稼いだ額より、輸入で支払った額の方が多かったのです。

株価の総額をもとに評価した1989年時点の世界のトップ企業50を見ますと、1位のNTTに続いて、日本の銀行が5位までを独占。

当時、“技術立国”といわれていた日本は自動車や家電メーカーなどの製造業も含め、実に32社がランキング入りしていました。

一方、2026年現在のランキングを見ますと、1位がアメリカの半導体メーカー「NVIDIA」、2位はIT大手の「Apple」が続き、5位までアメリカ企業が独占しています。

日本の企業は残念ながら1社も入っていません。

国際通貨研究所・橋本さんは、国際競争力が落ちることで「世界で日本の製品を買う相手が減り、円の需要が少なくなるため、長い目でみて円は安くなる」としています。