生成AIの使用は編集部が「責任をしっかり負う」

講談社の公募賞では、生成AIについての対応を明記している賞が複数ある。その上で、賞によって表記内容が異なっている。

『小説現代長編新人賞』は、募集要項に「創作に際しAIを補助的に利用した作品(プロット作成や文書表現の支援など)については、応募原稿の冒頭にどのようにAIを用いたかについて記載してください」と明記している。その理由について『小説現代』編集部は「不安を解消するため」と説明した。

「『時代』の流れを鑑み、AIを使っている方、使っていらっしゃらない方、どちらの方も応募の際に感じるであろう『不安』を解消するために挿入いたしました」

また、「補助的に利用」の範囲について聞くと、「資料収集や取材などなど、小説(本文)を書くという行為を支える部分についての使用を想定しておりますが、AIによってかかれた文章が1行たりともあってはいけない、とも考えてはおりません」と広く捉えていた。

創作に生成AIを取り入れることについては、「一概には言えないので、なんとも申し上げることはできません。常識の範囲内でお使いいただけたら、と思っています」と回答した。

一方、同じ講談社の『群像新人文学賞』は、生成AI対応について「著作権侵害(例えば第三者の著作物をコピー、改変するような利用)に該当する生成AIの使用を禁じます。最終候補作品については、AIの使用の有無、使用した場合にはその使用方法について改めて確認させていただきます」と表記している。

生成AIを取り入れることについての考え方を聞くと、『群像』の戸井武史編集長は、期待とともに編集部の責任について言及した。

「生成AIの使用については、私(弊誌)としては、その使い方には留保点があるとは思うものの、まったく排除するべきものではないと考えています。排除することで『書かなければ』と思った才能を失うことのほうが問題です。

作家とはその一作だけを作るつもりで(作品単体で)はなく、将来にわたってお付き合いいただくというのが前提で、仕事をしています。

作品が世に出るまでには、編集担当者、校閲、責任者などとのさまざまなやりとりがあるわけです。そのやりとり/対話において、生成AIの使用が必要あるいは妥当と感じられるのであれば、使用することには特に問題はないと思います。

AIを使用しようがしまいが、いいものはいい、ですし、(掲載が)難しいものは難しい、その『判断』にわれわれとしては責任をしっかり負う、ということだと思います」