SF小説の公募賞では“文章全てAI”で「可」も

連載の初回で触れた川柳や俳句のコンテストと同様に、生成AIの急速な進化によって、小説の公募賞でも生成AIへの対応を考えざるを得なくなっている。ただ、その対応は現時点では各社、各賞によって様々だ。

生成AIを利用した作品を認めている賞のひとつが、日本経済新聞社が主催する日経『星新一賞』。理系的な発想力を問う短編小説を公募するもので、2022年に受賞作が発表された第9回においてAIを使用した小説が初めて入選した。さらに、2026年3月に発表された第13回では、一般部門を受賞した4作品のうち、3作品が創作過程でAIを使用していたことが話題になった。

ただし、募集要項では「生成AIを利用しての応募について」という一項を設け、生成AI利用の場合の注意点を詳細に記載している。

このようにSFの分野では、どちらかといえば生成AIの使用を積極的に受け入れる傾向があるようだ。早川書房の『ハヤカワSFコンテスト』も生成AIの利用を認めていて、その応募要項には、内容を要約した梗概(こうがい)の末尾に「具体的な使用方法を明記すること」と記載されている。

さらに、「文章のすべて、もしくはほとんどをAIに生成させた作品」を認めている賞もある。

それは東京創元社の『創元SF短編賞』だ。すべて、もしくはほとんどをAIに生成させた場合は、同一応募者からの応募数を最大1作品としている。プロット作成や文章表現の支援など、AIを補助的に利用した作品については応募数に制限はない。東京創元社では『創元ミステリ短編賞』も同様の対応にしている。