フュージョンエネルギー開発を阻む「資金の壁」

一方、市場の拡大がこれから期待される新しい産業でも“ラストチャンス”を迎えています。

管が複雑に入り組む巨大な装置で行われているのが「核融合発電」の技術実証です。“地上の太陽”とも呼ばれる「核融合」=フュージョンエネルギー。

原子核同士を衝突・融合させて核融合反応を起こし、地上で太陽の原理を再現することで生まれる膨大なエネルギーで発電する次世代の技術です。

世界各国が2030年代の発電実証を目指し、技術開発を競い合っているのです。

中でも京都大学発のベンチャーは、世界に先駆けた強みを持っています。

京都フュージョニアリング 小西哲之 CEO(69)
「エネルギーを取り出して電気にして皆さんの手元に届ける技術を開発しているのは、まだ“世界で我が社だけ”アメリカも中国もやっていないので、間違いなく世界でトップを走っていると自信をもって言える」

資源を海外からの輸入に頼る日本にとって、「核融合発電」は海水から燃料となる水素をほぼ無尽蔵に作り出すことができるほか、1グラムの燃料で石油8トン分のエネルギーを生み出す効率の良さも魅力です。

しかし、課題のひとつは「資金」。アメリカの核融合ベンチャーの中には、1社で5000億円もの資金を集める企業がありますが、この企業の調達額は162億円程度。

小西哲之 CEO 
「フュージョンエネルギーをやろうという機運は、アメリカ・中国が一歩進んでいる。お金が来れば、若い人に(技術を)伝えて新しい仕事をすることができる。それが繋がるギリギリのところ。最初で最後のチャンスかもしれない