連日、各地で出没するクマをめぐり、国はきょう、個体数を把握するため全国統一のカメラ調査を始めました。ポイントは、胸に浮かぶ“月の模様”です。個体数を把握する狙いとは。

日本三景の一つ、京都の天橋立。この観光地に出たのは、クマです。一方、宇都宮市では今月、住宅街にクマが出没。

さらにきのうは、京都市の山の中で40代の男性がツキノワグマに遭遇。右腕を噛まれるけがをしました。

クマに襲われた男性
「民家まで50メートルもないくらいのところだった。逃げられないように、こういう感じで広げてきた」

相次ぐクマとのトラブルを減らすにはどうすればいいのか。重要なのは、クマの個体数を正確に把握することです。実は日本では、調査の時期や方法が都道府県でバラバラ。これまで正確な数を把握できていませんでした。

そこで環境省は、全国で統一の取り組みを始めることにしました。

きょう、仙台市の山の中で設置されたのはカメラです。

「ハチミツです。エサです」

この方法、「カメラトラップ調査」と呼ばれています。

まず、クマが出没するエリアに、複数のカメラを設置。クマがエサを取ろうと立ち上がった際に胸の模様を撮影することで、個体を識別する仕組みです。

さらに、別のカメラではクマがその場所を訪れる頻度も記録。こうしたデータを掛け合わせることで正確な数の把握を行います。

環境省 鳥獣保護管理室 高橋優さん
「何頭であればそれぞれの地域で許容できるのか、生息が可能なのかを地域の住民の方々や地域のご意見も合わせて検討し、そのためには何頭捕獲しなくてはいけないのかというところを出していく」

すでに、この方法でクマの撮影に成功した自治体があります。

クマをエサで引きつけ、カメラで記録する「カメラトラップ調査」。去年、導入した埼玉県で撮影されたのはツキノワグマです。自分の背よりも高い位置に置かれたハチミツを狙う様子が写っています。ハチミツを取ろうと立ち上がると、胸にある白い模様がよく見えます。クマの胸の模様は、それぞれです。

この方法で埼玉県が昨年度に把握したクマの個体数は最大でおよそ690頭。これは5年前に別の方法で把握できた数の4倍以上に上ります。

岩手大学農学部 山内貴義 准教授
「今までクマが出てからどうしようって考えてたんですけど。ここはあらかじめクマがいっぱいいるから、電気柵を置こうとか草刈りしておこうとか、そういったところに予算を投入したり、先手を打つような対策につなげることができる」

環境省は今後、800台以上のカメラを全国各地に設置する方針です。