6月は性的少数者=LGBTQなどへの理解を呼びかける「プライド月間」と呼ばれ、性の多様性を訴える取り組みが各地で行われています。タイはLGBTQに寛容なイメージが広がる反面、根強い差別も指摘されています。
記者
「多様な性を認め合おうと、性的マイノリティの当事者やその支援者たちが行進しています」
多様性を象徴するレインボーの旗を掲げる多くの参加者たち。タイ・バンコクで行われた大規模なパレードでは、およそ40万人が街を埋め尽くしました。
タイ人(性的マイノリティ当事者)
「タイに生まれてラッキーです。タイが性的マイノリティに優しい国だとみんな知っています」
去年、東南アジアで初めて「同性婚」が合法化されるなど、性的マイノリティに寛容な国とされるタイ。そのイメージに大きな役割を果たしているのが、同性同士の恋愛をテーマにしたドラマです。
「BL」「GL」と呼ばれ、独創的なストーリーで世界的な人気を確立。イベントが開かれれば、日本を含む各国からファンが駆けつけるなど、タイを代表するコンテンツに発展しています。
タイ人のファン
「(BL・GLドラマは)ストレートな恋愛ドラマとは異なる視点を提供してくれる」
日本人のファン
「(タイは)街を歩いていても(性的マイノリティの方を)見かけますし、日本でも増えてきているが、寛容かって言われたらそんなに寛容じゃないかな」
「LGBTの楽園」と呼ばれるタイであっても、差別や偏見に苦しむ当事者は少なくありません。
プーケットで暮らすスパッタラーさん。男性として生まれましたが、心の性は女性のトランスジェンダーで、過去には海外の遊興施設でダンサーとして働いていました。
現在は化粧品関連の仕事をしたいと就職活動を行っていますが…
スパッタラーさん
「3、4社で面接を拒否されました。トランスジェンダーとして生きていたら、仕事を得るチャンスはないだろうとも言われました」
トランスジェンダーであるという理由だけで不採用にされたというのです。
スパッタラーさん
「とても悲しかったです。なぜ性を理由に働けるか働けないかを決められなければならないのか、私には理解できません」
同じトランスジェンダーであるスパッタラーさんの友人も、職場で偏見を受けた経験があるといいます。
スパッタラーさんの友人
「仕事でメイクをしたかったのですが、『そんな派手な口紅は塗ってはダメ。君は男なんだから女のような格好をしてはいけない』と言われました」
タイの研究機関はこれまでに、トランスジェンダー女性のおよそ半数が職場で差別を受けたことがあるとの調査結果を公表しました。
また、タイでは戸籍の性別変更が法律上、認められておらず、差別を生む要因とも指摘されています。
トランスジェンダーの支援団体 『TransTalents』代表 ナッティニーティティさん
「多くの国では、公的な文書などで『男性』や『女性』ではなく『市民』として表記され、もはや性別の表記は使いません。性の分類が依然として存在する限り、解決は難しい問題だと思います」
タイメディアによると、トランスジェンダー女性は民間企業などへの就職が特に難しく、性産業など特定の業種に偏る傾向があるとされています。
スパッタラーさん
「私たちにもっとチャンスを与えてほしい。同じ人間として優しさや思いやりを持ってほしいと強く願っています」
多様な社会の実現には、まだ多くの課題が残されています。
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