これから本格的な夏山シーズンを迎えますが、注意が必要なのが山岳遭難です。救助隊が公開した映像には驚きのやりとりが記録されていました。

今月5日、長野県警が公開した遭難救助の動画です。遭難した人からの要請を受け、現場に向かったのは「長野県警察 山岳遭難救助隊」。笠ヶ岳の中腹で遭難者を発見します。

隊員
「けがはないです?」
男性
「ないです」

山の斜面に座り込んでいたのは70代の男性。山菜採りをしていて遭難したといいます。足下には山菜の入った袋が…

隊員
「歩ける?」
男性
「歩けると思います」
隊員
「転んだりしていないですね?」
男性
「だと思います」
隊員
「ここだと上げられないから、ちょっと動いてもらうけど。これ持っていけないからね! これ置いていくからね」
男性
「これだけ!」
隊員
「だめだめ!こんなの持って行けない!」
男性
「きょう、家族にやらなきゃいけねえだ」
隊員
「だめ、持っていく余裕ないからね」

男性は採った山菜を持って帰ろうとします。

隊員
「これで動くもんで、ちょっと歩いてもらっていい?これもう置いてって!置いてって!だめ!」
男性
「はっはっはっ」
隊員
「悪いけど、持っていけないもんで」
男性
「なんで、そんなにだめになっちゃう?」
隊員
「だめだめ」
男性
「重いっちゅうことかや?」
隊員
「落ちちゃうからだめ。救助されているっていう立場も、ちょっと考えてもらっていい?」
男性
「2度目だからもう」
隊員
「2度目なら、なおさらだよ」

遭難するのは2度目だという男性。渋々、山菜はあきらめました。

警察庁のまとめによりますと、去年1年間の全国の山岳遭難者は3623人と統計が残る1961年以降で過去最多に。遭難者のうち、死者・行方不明は332人、負傷者は1480人にのぼります。年齢別に見ると70代が749人と最も多く、50代以上が全体の6割を超えています。

救助隊が発見したのは100メートル以上滑落し、全身を強打したという50代の男性。

隊員
「折れてるね。ちょっと頑張って押すよ、もう少し。頑張って手を使って、せーの」

腕やろっ骨を骨折しましたが、山岳ヘルメットをかぶっていたため、幸いにも頭部へのダメージはなく、命に別状はありませんでした。

梅雨が明けると本格的になる夏山シーズン。長野県警は「『登りたい山』=『登れる山』ではありません。自分の力量にあった山選びをお願いします」と注意を呼びかけています。