弁護側の反対尋問 証言の信用性と記憶への追及

受刑者の女の証人尋問が行われた法廷(旭川地裁・5月27日)【この記事を画像で詳しく見る】

午後から行われた弁護人による反対尋問では、受刑者の女の証言の信用性に関わる質問が行われました。弁護側は、受刑者の女が旭川の刑務所に移送されてからの約1か月間、連日にわたって検察官と長時間の打ち合わせ(証言テスト)を行っていたことを指摘し、「検察側の主張に沿うように、あらかじめ教え込まれた内容をなぞっているのではないか」と迫りました。

女子高校生が立たされていた橋の外側の足場が「10センチメートル」であるという具体的な数字について、受刑者の女は「当時はどのくらいの幅か分からなかったが、後から実況見分調書などを見せられて知った」と認め、当時の記憶と後から得た知識が混同している可能性が示唆されました。また、暴言の回数が尋問の過程で急激に増加した点についても、弁護側から不自然さを指摘される場面がありました。

さらに、神居大橋での暴行中、内田被告が少年(当時16)とスマートフォンでビデオ通話を繋いでおり、少年が暴行をやめるよう呼びかけていたとされる点について、受刑者の女は「当時はかなり興奮しており、少年との通話やその声には全く気づかなかった」と釈明しました。

続いて行われた裁判官や裁判長からの質問では、内田被告との関係性について焦点が当てられました。受刑者の女は、数年前に共通の知人を介して内田被告と知り合い、事件の数週間前から「舎弟」と呼ばれる関係になっていたと説明しました。内田被告の車の運転手や買い物のカバン持ちなどをさせられていたものの、周囲に薬物使用者や暴力団関係者がいることを知っていたため、「逆らったりキレさせたりすると恐ろしい目に見舞われる」という恐怖心から、常に機嫌を伺い、従わざるを得ない主従関係にあったと述べました。

裁判長から、女子高校生の衣服を全て脱がせることや欄干に上がらせる行為に対して、なぜ疑問を持たなかったのかと問われると、受刑者の女は「急な出来事で頭が回らず、自分が助かりたい、捕まりたくないという自己保身しか考えていなかった。止めることができなかった」と後悔の念をにじませました。また、女子高校生が「死にます」と繰り返した状況について、「当時は本当に死ぬとは思っていなかったが、今振り返れば、私たちのあまりに執拗な暴行と脅迫によって追い詰められ、そう言わざるを得ない心理状態に陥っていたのだと思う。当時の女子高校生には、死ぬ以外の選択肢が残されていなかった」と述べました。

内田梨瑚被告の裁判員裁判の判決は、22日午後3時から言い渡されます。

おことわり
HBCでは、当時19歳の特定少年の被告を実名で報じるかどうか、事件ごとに判断しています。今回の事件は、1人の高校生の命が失われた結果の重大性、社会的影響の大きさなどを総合的に判断した結果、地上波テレビ放送では実名で報じることにしました。なお、デジタル配信の記事は、半永久的に残るインターネットの特性を考慮して匿名で報じています。