研究の成果――「岸から離れた日陰」を選ぶメスの戦略
一連の調査・実験の結果、タガメの産卵に関して以下の点が明らかとなりました。
産卵場所の選好性については、タガメのメスは池の上空を覆う樹木の下を好み、陸伝いにアリが接近しにくい「岸から離れた位置の棒」に多く産卵していました。また、日陰になる場所や、木の明るい面よりも「暗い面(日陰側)」を好んで産卵する傾向が見られました。
孵化率とオスによる保護については、卵塊を人工的に「日陰向き」と「日向向き」に配置した実験において、日向向きよりも日陰向きの方が、孵化率が有意に高いという結果が得られました。
これらの結果から、メスはアリが来ないような岸から少し離れた場所や日陰になりやすい場所に産卵することで、オスの「日傘行動」と相まって卵塊の乾燥リスクを低減させ、結果として孵化率を効率的に高めていると考えられます。














