今後の浪江町の復興などに関心を持ったという葛西さんは、おととし10月、移住を決意。伝承館の研究員として、浪江町のまちづくりや町に対する住民の思いなど、聞き取り調査を行っています。

「こんにちは。よろしくお願いします」


浪江町の鈴木さん夫妻。原発事故後、息子夫婦と宮城県で暮らしていて、浪江町の自宅には月に数回通っています。



鈴木さん「多分ここには戻らないと思うけれど、この場所はどうなるのかと思うと、なんとなくやっぱり辛いなと思いながら、孫たちとかその人たち(子孫の世代)が土地を活用してくれたら、生きてきた我々としてはありがたいなって」

葛西さんは、町の人の声を真摯に受け止め、寄り添いたいと話します。

去年の夏、この行政区の復興のシンボルである神社で11年ぶりに盆踊りが復活しました。

葛西さん「区長がポロっと「いやー当たり前なんだけどな、これが」って仰った。「普通だよ」って言えて良かったなってすごい思って。町で行われていることがこれからもまた普通に繰り返されていくんだろうなと感じることができた」



2つの震災を経験した葛西さん。

浪江町の復興を追い続けることが、「防災力の高いまちづくり」をより多くの人に伝えることにつながると信じています。

葛西さん「人が共に助け合って町を作っていくっていうのが大事なんだって、改めて全国の人に伝えられるんじゃないかなって」



葛西さんは、これからも「災害時にも助け合えるまちづくり」を、浪江町から全国に発信していきます。