シリーズ「現場から」。世界自然遺産の島・鹿児島県の屋久島です。島の代名詞ともなった樹齢2000年を超える「縄文杉」が確認されて60年が経ちました。縄文杉は、屋久島の観光を支える一方、新たな課題にも直面しています。
樹齢千年を超える杉の木=屋久杉や、原生林が広がる屋久島。雨の日が多く、豊富な水が豊かな森を育んできました。
1993年、白神山地と並んで、日本で最初に世界自然遺産に登録されました。
夜明け前。登山口へ向かうバス乗り場に、登山客が集まっていました。およそ400人が往復22キロ・およそ10時間の登山に臨みます。目指すのは屋久杉の中で最大の「縄文杉」です。
登山道に残る切り株や、トロッコ道の跡。かつて木材として大量伐採された過去を物語ります。
終盤は急こう配が続きますが、大木に触れて力をもらいます。山道をひたすら進むこと5時間。標高1300メートルに現れたのは高さ22メートル、幹まわり16メートルの縄文杉。樹齢2000年を超え、風雪に耐えながら力強くのびる幹と、幹にできたいくつものコブが生命力を感じさせます。
縄文杉が確認されたのは1966年5月。探し出したのが、当時、町の観光課職員だった岩川貞次さんです。
岩川貞之さん(73)
「(父は)あまりしゃべらない。寡黙な男だったから。でもその日は違った。にこにこしていた、『見つけたどー』と」
人口およそ1万人の屋久島には今、年間24万人の観光客が訪れています。その5人に1人=およそ5万人が縄文杉を目指して山に入ります。しかし、屋久杉は今、樹齢の高い木を中心に幹の空洞化や、風雪に耐えられず折れてしまうケースが相次いでいます。
島で25年ガイドを続ける渡邊太郎さんは、屋久島の森の「これから」を気にかけています。
屋久島観光協会 渡邊太郎 副会長(49)
「屋久島の観光や環境を次の世代に残すのは僕らの使命。屋久島を消費する・食い物にするような観光にはしたくない」
観光客の集中で、森を傷つけないために。新たな島の魅力を引き出していきたいと考えています。
屋久島観光協会 渡邊太郎 副会長
「時間はかかるけれど、継続していくと広まっていくのかな」
縄文杉は島の暮らしを支え、人々を惹きつけてきた一方で、自然との向き合い方も問いかけています。
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