遺族と企業が海外赴任マニュアルを共同作成 母・直美さん「社会に広がることを願う」

母・直美さん
「過労死を出した企業が、いつもニュースで“再発防止に努めます”というテロップが流れて、“本当にするんだろうか”と疑いというか、“任せておいていいのかな”という部分はありました」
「箇条書きで、“こういうことがあれば息子は救われた”というか“ここで気づいていれば何か救済されたんじゃないか”と思うことをバーっと書いて」

憤りの感情を封印し、直美さんは会社側に海外派遣者の健康と安全を守るためのマニュアルを共同で作らないかと提案したのです。
最初は慎重な姿勢を崩さなかった会社側ですが、話し合いを重ねるにつれ徐々に前向きな姿勢に転じていったと言います。
母・直美さん
「気持ちが合ってきてからは、割とスピード感が速いですよね?」

岩城穣弁護士
「かなり異例だと思うんですよ。会社のマニュアルを(過労死遺族と)一緒に作ろうというのは。(再発防止だけでなく)“会社にもプラスになる話しでしょ”という両面で、少しずつ会社の対応が、悪くない方向になってきたのかなと」
そして、直美さんと会社側が共に紡ぎあげたマニュアルがついに発表されました。

カナデビア 土肥太郎 専務執行役員(5月29日)
「本マニュアルの社内での確実な周知徹底と、実効性のある運用を通して、再発防止に全力で取り組んでまいりたい」
初めて海外で働く社員の業務の範囲や派遣期間について規定。
労働時間についても、日本国内のルールを遵守することがうたわれ、宿舎や移動中で行う業務も算入することが明記されました。
母・直美さん
「同じような苦しみをこれ以上、誰にも経験してほしくはありません。このマニュアルが、単なるルールとしてではなく、働くひとりひとりの思いや尊厳を守るため、現場で活かされていくことを願っています。そして、この取り組みが一企業の枠を越え、海外で働く方々を守る新たなスタンダードとして社会に広がっていくことを心から願っています」














