会社側の“事故として労災申請”の提案拒み 労災認定

自死の原因が過重労働だと認定を受けるのはハードルが高いとして、“単なる転落事故として労災請求する選択肢もある”と持ちかけたのです。

母‧直美さんは提案を拒み、精神障害を発症したことによる自死での労災だと認めるよう、労働基準監督署に求めました。

母‧直美さん
「“事故として労災申請をさせていただけるか”という提案は、本当にしんどかったです。それが逆に、“そんなことさせてはいけない”というか、その後の私の行動の原動力になったというか」
「真実はひとつ。息子は知っている。それを証明できればと思って」

直美さんと弁護団は、優貴さんのパソコンのログなどを解析。

ホテルでの週報の作成やメール‧LINEでの業務連絡の時間などを調べ、専門外の業務に就いた頃からの1か月間で、時間外労働が最大で約150時間にのぼっていたことを突き止めました。

そして労基署は、初めての海外勤務で経験のない仕事を強いられた点を重視。

優貴さんの死を自死だと断定したうえで、現地での精神障害を発症したことによる労災と認めたのです。

目標だった労災認定を勝ち取った直美さん。しかし、それを“ゴールにしてはいけない”という思いも抱いていました。