「何が正しいかわからない」 “過激なほど拡散”するSNSの仕組みとどう向き合うか  

TBS報道局「Nスタ」 長田ゆりディレクター:
今回の事件は、結希さんの行方不明の期間が長かったです。

地元の方に「どこから聞いた話ですか?」と聞くと、「友達から聞いたんだっけ。テレビの情報だっけ。ネットだっけ」と、情報源を覚えていないことがたくさんありました。

私は取材者として、関係者から遠い話は一切、放送に出さないということを心がけました。

当時、地元住民でさえも、「何が正しくて何が正しくないのかがわからなくて本当に怖かった」と話されていました。改めて事実をしっかりと伝えることの大切さを認識しました。

高柳光希キャスター:
地元の人だからこそ、いろんな情報が錯綜している渦中に置かれているので、大変な思いだと思いますが、やはり自分の心の中でフィルターをしっかり持って情報を精査して欲しいですね。

井上貴博キャスター:
「不安が不安を呼ぶ」というのは往々にしてあると思いますが、個人的に、誰もが発信できる点においてSNSはすごく素晴らしいツールだと思います。

その一方で、人間は誰しも結論を求めたがるし、数ある情報の中からストーリーを作りたくなってしまう。なので、今回の事件では「養父だから」という言葉によってあらぬ方向に行ってしまうリスクがありました。

しかし、だからといってSNSがダメかというと、私はそうは思いません。

テレビ報道でも、やりすぎることや偏ることは往々にしてあるので、情報発信する際も情報を受け取る際も、自分自身が常に気をつけなければいけないというのは感じています。

教育事業家 岸谷蘭丸さん:
SNSのこうした投稿は、X(旧:Twitter)のアルゴリズムが変わってからは加速する一方だと思います。

「中国人がどう」や「17歳の未成年がどう」などといったすごくセンセーショナルなことを言えば言うほど拡散されて、それが人に届くシステムが変わらない以上は、惑わせてくるような情報は広がる一方だと思います。

これをどうやって受け取るかですが、やはりそのような投稿を見るとびっくりしてしまうし、「そうなのかも」と思うと人に伝えたくなってしまいますが、それを安易にやらないという一人ひとりの受け止め方が大事だとも思いました。

同時に、1か月間どこの局でもずっとこの話題を報道し続けて、進展もないのに何か言い続けたことに意味があったのかというと、それもどうかなと思う。

そのため、オールドメディアだとかニューメディアだとか、そういうところではなくて、情報の受け取り方に対する全員のリテラシーや思いやりが一番重要なんじゃないかと思いますね。