手紙は「届くまで相手を思い続ける時間」

映画『おばあちゃんの秘密』は、亡くなった祖母の時子と孫の莉莉、そして家族をつなぐ物語です。

ただ、竹下さんは「それだけに留まらない」と話します。
竹下さんが演じる時子は、長い年月にわたり、ある男性と手紙のやり取りを続けてきました。

今は、SNSやLINEですぐに思いを届けられる時代です。
だからこそ竹下さんは、この映画を通して、改めて“手紙の良さ”を感じたといいます。

「手紙は、まず出そうと思った時に、その方のことを思いながら書きますよね」

封をして、切手を貼って、ポストに出す。
そのあとも、相手への思いは途切れません。

「“無事に届くかしら”って、届くまでその方のことを思うし、届いてからどんな風に読んでくれたかしら、お返事が来るんだろうかって、お返事が来るまでずっとその人のことを思い続けるわけですよね」

竹下さんは、その時間を「とても豊かな時間」だと表現しました。

何でもスピーディーに進む時代。
便利さの中で、私たちは待つ時間や、相手を思い続ける時間を少しずつ手放しているのかもしれません。

「そういう手紙のやり取りができる相手がいることは、もしかしたら今は逆に贅沢なのかもしれないですね」

会わなくても、そばにいる。
言葉をすぐに届けなくても、思いは続いていく。

手紙は、時子の人生に静かに寄り添い続けていました。