2019年に神戸市で指定暴力団「山口組」系組員を銃撃した罪などに問われたものの、1・2審で無罪を言い渡された「山健組」の中田浩司組長。
検察側が最高裁への上告を断念し、中田組長の無罪が確定しました。
■検察は防犯カメラ映像の「リレー分析」で立証目指したが…
「山健組」の中田浩司組長は、2019年8月に当時抗争状態にあった指定暴力団「山口組」の中核組織「弘道会」の事務所前の路上で、軽乗用車の運転席にいた弘道会傘下組織の男性組員を拳銃で狙撃し、重傷を負わせたとして、殺人未遂や銃刀法違反の罪で起訴されていました。
1審で中田組長は、「私は犯人ではありません」と起訴内容を否認。
直接的な証拠がない中、検察側は防犯カメラ映像の「リレー分析」を立証の柱としましたが、2024年10月の判決で神戸地裁は、以下の点を指摘。
▽検察側が映像上で犯人視している人物と犯人が同一であるかも、同じブランド・同じ種類の上衣を着ていたという相当流動的な事情に拠っている
▽犯人が犯行後に、黒色原付バイクから、中田組長が購入した白色スクーターに乗り換えて逃走し、降車後に組長宅に入った点も、組長以外の者が乗車していた可能性を排除するものではない
▽暴力団組織の組長が、検挙のリスクの高い実行行為に自ら手を染めることは、いささか不可解な面がある
「被告が犯人である可能性は高いが、別人が犯人である可能性を否定できない」として、中田組長に無罪を言い渡し、検察側が控訴していました。
■大阪高裁も1審の無罪判決を支持
しかし大阪高裁も、5月12日の控訴審判決で、防犯カメラ映像が不鮮明な点を改めて指摘したうえで、「“検察側が指摘する各事情が中田組長の犯人性を相当程度推認させるとしつつも、配下組員などが犯行を実行した可能性を否定しえない”とした1審判決の判断構造に不合理な点はない」として、1審判決を支持。検察側の控訴を棄却しました。
そして検察側が、期限の5月26日までに最高裁に上告しなかったため、中田組長の無罪が確定しました。
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