80年前、太平洋戦争中のソロモン諸島で多くの日本兵が命を落とした「ガダルカナル島」。今も現地では兵士の遺骨が見つかっていますが、現地で存在感を増す「ある国」がその収集作業に大きく影響しています。
ウィリー・ベシさん
「こちらが日本兵の遺骨です」
ここはソロモン諸島、ガダルカナル島のバラナ村にある、私設の戦争博物館。
80年前、日米両軍が激突した「ガダルカナル島の戦い」で2万人を超える日本兵が戦闘や過酷な“飢え”で命を失いました。
首都のホニアラに近いこの村で、ベシさんは両国兵士の遺品などを展示する博物館を家族で運営。遺骨が見つかると遺族会など日本からの訪問団に返還してきました。しかし…
戦争博物館を運営 ウィリー・ベシさん
「遺骨返還のため、日本政府との交渉を待っている」
新型コロナの影響で遺族らの渡航が難しくなったため、一時的に遺骨を保管しているのです。
戦争博物館を運営 ウィリー・ベシさん
「私が見つけました。あちらの丘の向こう側で」
今でも村の近くで旧日本軍の兵士と見られる遺骨が見つかるといいます。
記者
「ホニアラ市内中心部から車で30分ほど来たこちらのジャングルの中で、ベシさんが遺骨を発見したということです」
べシさんの甥が案内してくれたこの場所。“ギフ(岐阜)高地”と呼ばれ、慰霊碑が建てられています。ここから見渡せる山林で多くの遺骨が回収されていますが、土地開発のための伐採中に発見されています。
戦争博物館を運営 ウィリー・ベシさん
「開発現場で遺骨を見つけた場合は、こちらに運んできます。今も私たちは遺骨を探しているのです」
実は、こうした遺骨収集を難しくする問題が今、現地で起きているのです。
こちらは、首都ホニアラの中心部。近年、影響力を強めている中国の資金援助で巨大なスタジアムが建設されています。別の場所には、中国人労働者用の広大な住宅も最近建てられました。日本人の遺骨収集活動をサポートするディーブさんによると、こうした住宅地の近くでも旧日本軍兵士の遺骨や遺品が多く見つかる場所があるということです。
遺骨収集活動を支援 フランシス・ディーブさん
「私の調査では、まだ多くの遺骨が島の各所に残っています。遺骨収集のため、保護すべきジャングルの森林伐採の進行が直面する問題です」
開発途上にある国の中でも特に貧しいとされるのがソロモン諸島。中国による資金援助の恩恵を受けていますが、その一方、開発事業の影響で遺骨が損傷したり埋まってしまったりして、収集に支障が出るのではと懸念されているのです。
コロナ禍では、島にとって重要な収入源となる観光業も大きな打撃を受けています。こうした中、ソロモン政府観光局は新しく日本人戦没者慰霊碑を設置、日本からの来訪者にも期待しています。
地元の女性
「日本の皆さんが来られるのを待っています」
現地に残る多くの遺骨が、祖国への帰還を今も待っています。
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