コメ農家の担い手不足により休耕田が増え続ける雲南市で、大阪の農家が通いながら田植えや稲刈りをして、地元農家と協力して稲作をおこなう実証が始まりました。
大阪と雲南。両者の農家に共通する思いは「田んぼのある風景を未来に残すこと」。

先週、雲南市木次町の水田。
「なにわ」ナンバーのトラックから農機具が降ろされ、田植えが始まりました。

彼らは、大阪から来た有志の農家。大阪でもコメ作りをしていますが、それと並行して雲南市に通い、放置された休耕田を開拓してコメ作りを始めたのです。

大阪・八尾市で農地の維持管理をおこなう「ゆーかりファーム」の橋本和則さんは、田植えの日を迎え…

ゆーかりファーム 橋本和則 代表取締役
「感無量です。長いこと植えられてなかった田んぼに水を張って、稲を何年ぶりかに植えることができたのは、ひとつゴールができたんじゃないかと」

雲南市の休耕田はおよそ1200ヘクタールと耕作面積全体の4分の1を占め、高齢化による担い手不足で年々拡大していて、荒廃した風景が広がりつつあります。

ゆーかりファーム 橋本和則 代表取締役
「地方に来て水田のある里山の風景がぼくたち日本人の心の原風景なんだろうと思っていたので、どないかしてこれを残せないかって…」

去年の夏、知人を通じて雲南市を訪ね、休耕田の問題を聞いた橋本さん。自分たちのコメ作りと時期が少々ずれているのに気づき、こんな提案をしました。

大阪でのコメ作りのスケジュールは雲南のひと月ほどあと。地元農家と分業する方法なら二拠点でのコメ作りが可能と考えました

自分たち大阪の農家が田起こしから田植え、稲刈りなどの主な作業をおこない、地元農家には日頃の水の管理を委託。この共同作業で休耕田を再生してコメ作りすることを提案したのです。

この申し出に地元農家の松原さんは…

地元農家 松原利広さん
「滅多にこういう話は無いだろうと。地元としてもきちっと協力して、お互いに連携を取りながらやりましょうと…」

雲南市も加わって協力農家を募集。その結果、今年は市内3か所、3ヘクタールの休耕田で大阪と雲南の農家による実証に挑戦することになりました。

雲南市 石飛厚志 市長
「まずは田んぼというものは人が手をかけないと続きませんので、その手をいろんな方の手を借りて続けていきたい」

ゆーかりファーム 橋本和則 代表取締役
「こういう取り組みをしていることを世の中の若い農家さんに知ってもらい『これだったら私たちでもできるんじゃないか』という方が手を挙げて、少しでも日本の農地を維持できるのではないだろうか」

地元農家 松原利広さん
「うれしいです。最高です。橋本さんと我々で手を組んで、協力しながらいいコメを作ってもらえたら」

松原さん
「やっぱり感無量でした。橋本さん」
橋本さん
「ありがとうございます」

育てるコメは島根の「きぬむすめ」。
橋本さんは、「すごくおいしかった雲南のお米を自分も作りたい」と意気込みます。大阪と雲南がタッグを組み実りの秋に向けたチャレンジが始まっています。

橋本さんは雲南市での田植えを終え、
今週は大阪に帰って来月の大阪での田植えの準備中。
現在は往復600キロの通いを自費でおこなっていて初年度は赤字の見込みとのこと。この「都市と地方」の実証が持続可能なモデルに成長できるよう行政の支援も期待したいところです。