限られた期間で演者を“選手”に――リアルを生んだ指導戦略

ドラマ 『GIFT』より

日曜劇場『GIFT』の“舞台”となっている「車いすラグビー」。バスケットボールと同じ広さの室内コートで行われるこの競技は、障がいの程度に応じて持ち点(クラス分けの点数)が設定された選手同士が4対4で戦うパラスポーツとしても知られる。

“ラグ車”と呼ばれる競技用車いす同士のコンタクト(タックル)が認められているため、その激しさから「マーダーボール」と呼ばれていた歴史もある。

本作で監修を務める峰島さんは、そんな迫力あるプレーを、細やかなところまでリアリティーを持たせながら、限られた準備期間の中で作り上げていった。

「数か月で、なおかつ常勝チームやそれに挑むチームを作っていかなければいけない。どんな練習をすればそこまでのレベルに到達できるのか、そのために練習メニューをどうしていくか。すごく考えましたし、悩みました」

峰島さんはまず、全ての「基礎」となる“チェアスキル”を習得することを徹底。車いすを「体の一部のように扱う」ことができなければ、どれだけ動けても選手には見えない。

走る、止まる、ターンする、狙ったコースを取る――基本動作を反復させた上で、次に取り組んだのが戦術理解だった。

「車いすラグビーはルール理解が非常に重要な競技です。ボールを奪うのが難しいからこそ、ルールをどう使うかが鍵になる」

ホワイトボードやマグネットを使った座学も取り入れ、2対1から2対2へ、そして4対4へと段階的に理解を深めていく。さらに「インバウンド」や「キーアタック」といった実戦的な“型”についても実践を交えて指導し、キャストのプレーに落とし込んでいった。

監修を務める峰島靖さん(撮影現場より)

一方で、「オフェンス(攻撃)はある程度“型”がありますが、ディフェンス(守備)は相手の動きに応じて変化する。決まりが少ない分、より難しい」と語るディフェンスは、「経験値がものを言う」世界。

「僕自身はハイポインターで3.5(持ち点)のプレーヤーなので、そのポイントに近い選手は密に教えられるのですが、2.0以下の障がいの重いクラスは、役ごとに実際の点数に合った選手も練習に参加して、直接指導してもらいました」

日常生活のシーンがある出演者には、直接の指導だけでなく、実際の選手の動きや生活シーンをビデオに撮って提供したことで、「よりリアルな動きを再現していただけています」と話す。