巨人・戸郷翔征(22)が6日、WBCの一次メンバーに正式選出され「トラウト選手と対戦したい、真っ向勝負で三振を取りたいです、狙います」と史上最強との呼び声高い、アメリカ代表キャプテンとの勝負に気持ちを昂らせた。戸郷はWBC、五輪、プレミア12を通じて初の侍ジャパン選出となった。
戸郷は年末から故郷の宮崎・延岡市にある母校・聖心ウルスラ学園のグランドでチームメイトの高田、笠原、独立リーグで元・巨人の山上らとともに自主トレ。WBCに向けて例年よりペースを上げて調整している。
この日も朝9時頃からランニング、ストレッチ。その後、軽く内外野でノックを受けると、遠投も交えキャッチボール。近い距離では、力強いボールも見せた。「今月中旬くらいに(WBC使用球に)切り替えて、例年より1週間ちょっと早く仕上げようかなと」。昨年の自主トレ期間中は1回だったブルペン入りについては「今年は2回ぐらいは入れるのを目標にしています」と話し、WBCに向け青写真はしっかり描けている。
昨季は自身初の2桁勝利でリーグ2位の12勝を挙げ、リーグ最多の154奪三振をマーク。11月の侍ジャパン強化試合のオーストラリア戦では、先発のDeNA・今永昇太のあとの5回から4イニングを被安打1、7奪三振、無失点と、完璧な投球を見せつけた。正式にWBCメンバーに選出されたことには「素直に嬉しいです。プラス嬉しいだけじゃなく、結果を求めながらやっていきたいです」と表情を引き締めると、自身の役割については「第二先発とか、中継ぎかなと思いますけど、楽しみですね」。侍ジャパンの強力投手陣でどのような役割を全うする意気込みを見せた。
故郷・宮崎で初詣、対戦を望むのは米代表キャプテンM.トラウト

世界一奪回に向け対戦したい選手は「トラウト選手ですね」とエンゼルス・大谷翔平(28)の同僚マイク・トラウト(31)を真っ先に挙げた戸郷。「どこの球をどう打つんだろう?真っすぐをど真ん中に投げたら、どんだけ飛ばすんだろう?とか。でも(対戦すれば)もう三振取りたいですよね、真っ向勝負で三振取りたいですよね、三振狙いに行きたいです」と昨季アメリカンリーグ2位の40本塁打を放ち、かつてMVPを3度獲得したWBCアメリカ代表の主将に対しても、怯むことない。
自主トレのあとには母校の近くの今山大師に初詣、引いたおみくじは「大吉」だった。書かれていたのは”目上の人を敬って、目下の人を慈しめば、ますます運が開ける”。「日の丸をしっかりと背負うという気持ちを全面に出して、ゼロに抑えたいです」。その口からは何度も「日本を背負う」という言葉が聞かれる。謙虚にそれでいて大胆に。世界一奪回へ、戸郷がピッチャー陣のキーマンになる。