■少子化が加速「子育てや教育にお金がかかりすぎる」

支援の背景にある少子化問題。
日本の出生数の推移を見ると、200万人を超える赤ちゃんが生まれていたベビーブームに比べ、2021年は81万1604人。2022年には、初めて80万人を下回る可能性が出てきました。想定よりも早いペースで少子化が進んでいます。

2021年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数の平均値)は、全国で1.30。東京都はさらに低く、1.08となっています。
一方で夫婦が望む理想の子どもの数は、平均2.25人という調査結果も。理想と現実にギャップがあることが分かります。
子どもを持たない理由については、「子育てや教育にお金がかかりすぎる」という声が挙がっています。

■子どもの習い事 収入で格差も

チャンス・フォー・チルドレン(2022年12月発表)によると、塾や習い事など学校以外の活動の年間平均支出は
▼世帯年収が300万円未満の家庭では3万8363円
▼世帯年収が600万円以上の家庭では10万6674円


2.7倍もの支出の差が見られます。
世帯年収が300万円未満の家庭では、習い事や旅行などの学校以外の活動を、3人に1人が1年間に一度も行わない、という報告もあります。

実際に習い事にどれくらいお金がかかっているのか、街の人に聞くとー

30代・4歳と6歳の子を持つ父親
ピアノと水泳で(毎月)2万円ほどかかっている。5000円は大きくないけど助かる。

40代・中学生と園児の子を持つ父親
2人ともスイミングに通っていて、2万5000円ほどかかっている。5000円あれば下の娘に別の習い事をさせてあげられる。

弁護士 八代英輝:
統一地方選を間近に控えたこのタイミングとか、いろいろおっしゃる方もいるとは思うんですけど、やはりインタビューで答えてくださった皆さんのように「助かる」っていうのも本音だと思うんです。
少子化を何とかしようと考えたとき、行政としていろいろなお金の使い方がありますが、所得制限を設けずにとにかく子育てを支援していこうというのは、ひとつの姿勢の表れだと感じます。

落語家 立川志らく:
もちろん「助かる」。だけどもう1人産むといったら、さらにお金がかかるから、5000円にまた5000円をプラスするぐらいの感じじゃないと…。
今、保育園の問題だとか、いろいろな悪い話が出てるじゃないですか。だからそこら辺をもっと、いい人材が集まるような幼稚園・保育園をつくる。そっちの方にどんどん力を入れていかないと出生率は上がらない。
今、子どもがいる人たちが「助かる」ってだけのことですね。

コメンテーター 中川翔子:
所得制限なしでいただけるのはすごく良いことだと思います。習い事でスキルアップしたり、いろいろな意味で子育てを支援して、10年後20年後に日本がどうなるのか。今すぐこうやって動いてくださるのはありがたい。
でも、少子化ということを考えると、不妊治療の方にももっと支援があった方がいいのかなとは思いますね。

相模女子大学大学院 白河特任教授:
少子化は本当に深刻な問題だと思います。結婚したいとか子どもを持ちたいという人の希望が叶わないということですからね。国民の希望が叶わないというのは本当に希望のない社会になってしまうということです。

恵俊彰:
行政面のサービスもそうですし、国としての安全保障の問題も含めて、少子化はいろいろなことに影響しますからね。国がどのぐらい真剣に考えるのか注目していきたいと思います。

(ひるおび 2022年1月5日放送より)