「ぼくは ギャアぁ―――となったんだよ」
学校帰り。お母さんが小学校の近くまで迎えに来てくれました。
「給食どうだったの?」
「おいしかったよ。パンがおいしかった」
「牛乳飲めた?」
「それがね。ストローもコップもないから、飲み方が分からなくてとても大変だったんだよ」
「それ、どういうこと?」
お母さんは首を傾げます。そして、帰宅後、驚愕しました。
制服に浮かび上がるいくつもの白いシミ。 「これ、全部牛乳!?」 時間が経ったシミは頑固で、落とすのに3回の手洗いを要しました。
なぜ、家ではこぼさない子がこんなことに?
なかなか事情を分かってくれないお母さんに説明しようと、健介くんが、ついにペンを執りました。
メモ紙に描かれたのは、一箱の牛乳パック。横には「なにもない(ストローもコップもないの意味)」の文字。そして余白を埋め尽くす「ギャアぁ―――――――」という魂の叫び。
このダイナミックな"解説図"を見て、お母さんはようやく事の重大さを理解しました。「そんな飲み方、やったことないもんね。それは難しいわ……」
健介くん、家で牛乳はコップに入れて飲んでいます。パックから直接飲むとは想像したことも、やろうとしたこともなかったのです。













